早すぎる利確は何と比べて判断するか
早すぎる利確の問題は、利益が消える不安から、購入時に想定した上昇余地や保有条件を確かめずに小さな利益を確定することです。売った後に株価が上がった取引を、すべて失敗と呼ぶわけではありません。将来の最高値は事前に分からないからです。
資金が必要になった、保有比率を下げたい、会社の見通しが崩れたなど、売る理由がある場合もあります。確認したいのは、利益の金額が見えるだけで予定を変え、損失のある取引では同じ見直しを避けていないかです。
6勝4敗でも6,000円の赤字になる例
架空の10回の取引で、6回は各1,000円の利益、4回は各3,000円の損失だったとします。利益は合計6,000円、損失は合計1万2,000円なので、差引きはマイナス6,000円です。勝率は60%でも資金は減っています。費用と税金を除く計算です。
この平均利益1,000円と平均損失3,000円が続くと仮定すれば、費用を除いて損益ゼロとなる勝率は75%です。必要な勝率が分かったから次の取引で達成できるわけではありません。勝つ回数だけでなく、勝ったときと負けたときの金額の組合せを確認するための数字です。
利益を伸ばすことと売却条件をなくすことは違う
利確を遅らせれば常に利益が大きくなるわけではありません。保有を続けた後に価格が下がり、含み益がなくなる場合もあります。先の例を見て、損失の管理はそのままに利益だけ必ず3倍へ伸ばせると考えるのも現実的ではありません。
保有を続けるなら、利益や売上など購入理由が続いているかを確認します。価格に勢いがあるという理由なら、その勢いをどんな条件で判断するかも残します。買った時点の目的が短期取引なのに、利益が消えそうになると長期保有へ言い換えるなど、時間軸を都合よく変えていないかを見ます。
一部売却も含め、条件に沿って振り返る
全量を売るか持ち続けるかだけでなく、一部を売って残りを保有する方法もあります。たとえば200株のうち100株を売れば、現金を確保しつつ残る100株の値上がりにも参加できます。その代わり、全量保有より将来の上昇利益は小さく、残る100株は値下がりの影響を受けます。
分けて売る場合も、取引単位や売買費用、税金を確認します。日誌では、なぜその時点で売ったか、残す理由は何かを記録し、後日の最高値だけで採点しないようにします。平均利益と平均損失、費用込みの合計、予定条件の遵守を並べると、安心したいだけの利確が収支へ与えた影響を点検できます。