辰巳天井を読む計算例

格言の検討より前に基準をそろえる

辰巳天井は、干支の辰年・巳年を高値に結びつける言葉です。実際の値動きと比べるときには、どの期間の高値を、何と比べるのかを明らかにしないと、同じ説明が違う結果へ当てはまってしまいます。

ここでは、指数の年初を100とする架空の二つの経路を置きます。特定の年のデータではなく、天井という表現と年間の変化率が別の情報であることを示す計算例です。

二つの経路で年末の位置を比べる

経路Aを年初100、年中高値130、年末110とします。年初から年末は10%上昇しています。高値から年末へは20下がっているため、下落率は20÷130で約15.4%です。

経路Bは年初100、年中高値110、年末90とします。年初から年末は10%下落しています。高値から年末へは同じ20の下落ですが、下落率は20÷110で約18.2%になります。

比較する基準経路A経路B
年初から年末+10%−10%
年中高値から年末約−15.4%約−18.2%

どちらも年中の高値から下がった一方、年間では方向が反対です。高値からの変化を、年間成績へ読み替えると、この違いが消えてしまいます。配当と取引費用を含めない指数の比較です。

高値で売れたという仮定を加えない

経路Aの130が高値だったことは、後の経路を見た後に分かります。その日に年末まで最高値だと確定していたわけではありません。実際の売買を考えるなら、どの情報をいつ知り、どの価格で注文できたかが別に必要です。

格言の年回りと高値の日付を後から重ねても、高値での売却を再現できるとは限りません。対象指数や判定期間を変える場合も、同じ条件の検証とは言えなくなります。

説明できる範囲へ戻す

この例から分かるのは、変化率には始点と終点が必要ということです。辰・巳の年が上がるか下がるか、次の天井がいつかは計算していません。

実際の保有を検討する際は、格言の印象に加え、企業の状況、購入価格、保有額と資金の期限を別に読むことになります。年回りの話だけで売買の結論を置くと、こうした現在の条件を省いてしまいます。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。