相場は悲観の中で生まれとは?意味と投資判断での使い方

不安が残ることと、必ず上がることは違う

景気や会社のニュースが悪い時、株価だけ先に持ち直すことがあります。「相場は悲観の中で生まれ」という言葉は、上昇の出発点で、皆が安心しているとは限らないことを考える格言です。

Franklin Templetonのシンガポール公式サイトでは、ジョン・テンプルトンの相場と心理の言葉として紹介されています。ただ、定まった日数で段階が進む市場法則や、悲観を数値にすれば底が分かる計算式という意味ではありません。

格言を逆向きの規則へ変えない

強気相場の始まりに悲観が残る場合があることから、悲観があれば強気相場が始まる、と結論を戻すことはできません。企業の損失や資金不足が続き、価格もさらに下がる可能性は残ります。

また、自分が不安に感じたことと、市場全体の参加者がどんな見通しを持つかも同じではありません。報道の見出しやSNSの投稿だけで、悲観が十分に広がったという共通の判定を作ることはできません。

格言の役割は、悪い実績があるだけで将来の検討をやめないための問いです。それ自体が株価を買い支える材料になったり、投資先の損失を消したりするわけではありません。

観測したことと、回復の条件を分ける仮想場面

独自の仮想場面で、需要減少による販売の落込みが公表され、会社は次の期間に回復を見込んでいるとします。過去の販売減少は実績ですが、これから注文が戻ることは、まだ見通しです。

ここでは、顧客の注文がどこまで決まり、供給や費用にどんな制約があり、回復までの資金を確保できるかを読みます。予想の前提が開示されていなければ、分からない部分として残します。期待だけで、回復がすでに完了したようには書けません。

逆に、実績が悪いという理由だけで、将来の改善の可能性をゼロと決める根拠にもなりません。資料の対象期間をそろえ、何が起きた話で何が予想かを見分ける例です。

相場の段階より、投資の条件を具体的にする

日本取引所グループの入門資料は、株価には会社の業績の予想に加え、市場全体の金利や情勢など複数の要因が関わると説明しています。心理の言葉一つでは、買う価格も必要な保有期間も決まりません。

自分の判断では、事業が改善する根拠、その期待に対して払う価格、使う資金の予定を確かめます。格言で局面に名前を付けることより、期待が外れた時にも判断を直せる条件を持つ方が、実際の投資へつなげやすくなります。

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