利点があるのは心理を点検すること
ここでのメリットは、利確できない状態を続けることではなく、その理由を点検して保有条件をはっきりさせることです。さらに値上がりしてほしい、売った後に上がると悔しい、会社の成長をまだ保有したい、といった理由は同じではありません。
長期の成長を見込んで売らない場合には、短い上昇だけで全株を売らずに済む面があります。一方、願望だけで売却を延ばせば、資金用途や保有上限を見失う可能性があります。売らなかった結果の良し悪しより、残す理由を資料と数字で説明できるかを確認します。
利益率を追う保有と価格だけを待つ保有
架空の会社で、売上が100億円から110億円へ増え、営業利益率が8%から10%へ改善したとします。営業利益は8億円から11億円になります。成長が続くと見込んで保有するなら、次に売上と利益率がどちらも維持されるか、増益が一時要因ではないかを調べる項目にできます。
ただし、業績がよくても現在の株価に強い期待が織り込まれていれば、値上がりするとは限りません。会社の改善と価格評価を別に確認します。単に「以前の高値へ戻ってほしい」だけなら、決算のどの項目で保有を再検討するかが決まっていません。確認できる条件へ置き換えることが、心理を分析する具体的な利点です。
一部を売ると何を残せるかを計算する
取得額20万円の200株が30万円になり、そのうち100株を売る架空例を考えます。費用と税を除けば、売却代金15万円、対応する取得額10万円、実現利益5万円です。残る100株の時価も15万円で、含み益は5万円です。
現金と継続保有を分けられますが、残る100株は値下がりの影響を受けます。全量を持つ場合に比べ、今後の上昇利益も半分になります。「半分売れば必ず有利」という方法ではなく、何を確保し何を引き受けるかが見える計算です。課税口座なら実際の手取りは税と費用も考えて確認します。
保有理由に応じて次の確認を決める
業績成長が理由なら次の決算で見る数字、資金用途が理由なら必要額と期日、集中度が理由なら資産全体の比率を残します。価格目標を使う場合も、その数字を置いた利益見通しや倍率が変わっていないかを確認します。
見直す条件を先に決めれば、株価が動くたびに「まだ売れない」と同じ迷いを繰り返す代わりに、変更した事実を調べられます。それでも最良の売却時点が分かるわけではありません。利益を伸ばしたい理由と、生活や分散のため減らす理由を並べ、自分の目的に合う保有量へ調整するために使います。