ナンピン地獄を投資判断でどう見るか

分割購入とナンピンは重なる場合もある

分割購入は、投資資金を複数回に分けて購入する方法です。ナンピンは、保有後に下がった価格で追加して平均取得単価を下げることなので、あらかじめ決めた分割購入の一部がナンピンになる場合もあります。二つが完全に別の手法というわけではありません。

ナンピン地獄という俗称で問題にするのは、下落を見てから総額の上限を増やし、単価を下げること自体を目的にする状態です。名前より、どの情報を条件に、いくらまで追加するかが決まっていたかを比較します。

総額30万円以内で3回に分ける架空例

購入前に上限30万円、1回は10万円以内、最大3回までと決めたとします。1,000円で100株、800円で100株、600円で100株買った場合、取得額は10万円+8万円+6万円=24万円です。300株の平均取得単価は800円で、600円時点の評価額18万円、含み損6万円です。費用、配当、税金は除きます。

上限に6万円余っていても、使い切る義務はありません。この後さらに下がったからと、上限を50万円へ変えて4回目を買うなら、当初の分割計画とは別の変更です。変更する根拠を調べず、買値へ戻るためだけに増やしていないかを点検します。

事前の計画でも買い続ける保証にはならない

最初に価格と回数を書いたからといって、追加が必ず合理的になるわけではありません。途中で会社の事業や財務が悪化し、購入理由が崩れたなら、予定の中止や再検討も必要です。機械的に安値を買うことと、現在価格に対して価値を見積もることを分けます。

毎月一定額を買う積立も、価格が下がった月には多くの口数を買うことがあります。ただし、広く分散した商品へ余剰資金を積み立てる計画と、一社の損失回収のため投入額を増やす行動では、収益源や集中度、家計の負担が異なります。平均単価が下がるという一点だけで同じリスクとみなさないようにします。

比較表には上限と中止条件を入れる

計画を比べる際は、総額、最大回数、各回の金額、追加する条件、追加を中止する条件を並べます。予定外の入金をしたなら、その額と理由を消さずに記録します。買値を下げた成果だけでなく、会社へ集中した金額も確認します。

買い増さなかった後に反発する可能性もありますが、その結果だけで上限を守った判断を失敗と決める必要はありません。反対に、計画を超えた買付けが利益になっても、次も成功する保証にはなりません。保有比率と見通しを確認し、同じ条件で繰り返せる範囲かを点検します。

出典