短期の材料が消えても保有する理由はあるか
イナゴ投資は、話題の銘柄へ短期間に追随する売買を指す俗称です。短期の需給で買った株が下がった後、売りたくないために長期投資へ言い換えると、当初なかった時間軸を損失確定の先送りに使うことがあります。
長期へ方針を変えること自体が禁止されるわけではありません。ただし、来期以降の収益源、財務、資金を使う時期を調べ、今の価格で新たに選ぶとしたら何を根拠に保有するかを整理します。投稿が続いていることだけでは、事業の持続性を確認したことにはなりません。
株価が安く見えても利益倍率は上がる例
架空の会社を株価700円、予想EPS50円のときに買ったとします。予想PERは14倍です。その後株価が600円へ下がっても、予想EPSが20円へ下方修正されていれば、予想PERは30倍になります。EPSは1株当たりの利益です。
買値より100円安いことだけでは、前より割安とは判断できません。利益が50円へ回復すると考えるなら、その事業上の理由と時期を確認する必要があります。数字は説明用で、30倍なら必ず割高という意味ではありません。長期の保有根拠を、過去の買値ではなく現在の見通しから作り直すための例です。
利益と資金繰りの両方を点検する
長く持つなら、会社が何で稼ぎ、その利益が続くと考える理由を確認します。会計上の利益だけでなく、事業からお金を生む状況や借入の返済も調べます。営業キャッシュフローは事業による現金の増減を表し、利益額と常に同じではありません。
現金収支が悪い期間があっても即座に破綻と決まるわけではなく、投資や在庫の事情を資料で確かめます。反対に、人気のある製品があるから資金面も安全とはいえません。確認できない点を、発信者の強気な見通しだけで埋めないようにします。
方針変更後の期間と数量を記録する
長期保有へ変更する場合は、変更した日、使った開示資料、見込む利益、見直す条件を残します。必要な生活資金を別に確保し、資産全体で一社へ寄せ過ぎていないかも確認します。保有期間を延ばすことだけでは、投入額の大きさは小さくなりません。
見通しを十分に確認できなければ、保有を減らして調べ直す案や現金で待つ案も比べられます。売却後に上がる場合もありますが、買値へ戻るまでという期限の分からない期待だけで保有量を決めないことです。長期という言葉より、保有中に何を確認し、何が変われば判断を変えるかを残します。