時間を買う投資を投資判断でどう見るか

通勤を短くするか、家事を頼むか

自由な時間を増やすために、職場に近い住まいへ移る方法と、家事を外注する方法を考えるとします。どちらもお金で作業や移動を減らす「時間を買う投資」の例ですが、同じ効果ではありません。移動時間が日々少しずつ減る場合と、一度にまとまった時間が空く場合では、使い道が変わります。

比較前に、減らしたい負担と増やしたい時間の用途を決める作業が要ります。勉強のために連続した時間が必要なのか、帰宅を早めたいのか、家事そのものの疲労を減らしたいのかで、選ぶ条件は異なります。

一か月の追加費用をそろえた独自例

いずれも架空の条件です。転居すると家賃が月2万円増える一方、通勤が片道15分短くなり、月20日通勤するとします。往復で減る時間は月600分、十時間です。別案の家事外注は月6,000円で、連絡や準備を差し引いて二時間を減らせるとします。

案月の追加費用月に減る時間一時間当たりの費用
職場の近くへ転居2万円十時間2,000円
家事の外注6,000円二時間3,000円

これは毎月の継続費用だけの比較です。転居の初期費用、交通費の増減、家事外注の初回費用などは除いています。実際の物件やサービスの料金ではなく、契約判断に使うなら、除いた費用も別に計上する必要があります。

一時間当たりが安い案を、必ず選ぶわけではない

例では転居案の一時間当たりの費用が低くなりますが、月の追加支出は大きくなります。家計がその支出を継続できないなら、単価だけで有利とは言えません。引っ越した後に勤務先や出勤日数が変われば、期待した時間も減るかもしれません。

また、通勤の短縮は一回十五分ずつでも、外注なら連続した二時間を確保できる場合があります。十五分を積み上げた十時間を、そのまま一日分の自由時間として使えるわけではありません。時間の量に加え、いつ、どの長さで空くのかが比較の材料です。

教育や道具との比較は、効果の確かさもそろえる

学習や新しい道具への支出では、使いこなせるまでの練習時間や、実際に作業が短くなるかに不確実性があります。確実に発生する費用と、まだ試していない時短の見込みを同じ確かさで扱わないことが必要です。小さく試せるなら、自分の作業時間を測ってから判断する方法もあります。

時間のための支出も、家計全体の中の選択です。ほかの支払い、貯蓄、金融資産への積立に与える影響と合わせて比べます。最も多く時間を減らす案ではなく、自分が必要な時間を無理なく確保できる案かどうかが、最後に残る問いになります。

出典