感情売買と投資心理|焦りや思い込みに流されない考え方

感情があることより基準の変更を見る

感情売買は、恐怖、怒り、興奮などが、事前に決めた条件を押しのけて注文を決めることです。不安を感じただけで失敗と決まるわけではありません。気持ちが揺れても、根拠を確認し予定した数量を守ることはできます。

確認したいのは、どの出来事の後に、数量、保有上限、購入理由が変わったかです。悔しさや自信をなくそうとするだけでは変化を確かめにくいため、気分の自己評価と実際の注文記録を分けます。冷静だと思っていても、以前決めた条件から外れることはあります。

午前の損失を午後の数量へ持ち込む例

架空の例で、午前に100株の取引をして1万円を失い、午後に別の取引の数量を300株へ増やしたとします。午後の相場の根拠や価格変動が午前より有利になった資料はなく、「早く取り戻したい」ことだけが変更理由だった場面です。

午後に1株当たり100円下がれば、300株の損失は3万円です。元の100株なら1万円なので、午前の損失を含めた合計も4万円と2万円で異なります。費用と税金は除きます。午前の損失自体は、午後の値上がりを支える根拠ではありません。数量を3倍にした理由を、過去の損益を使わず説明できるかが確認点です。

取り逃した上昇や勝った後にも起こる

買わなかった株が上がった後に、「自分の判断を証明したい」と別の取引をする場合もあります。保有していなかった上昇を自分の確定損失と数えると、それを取り戻すための注文になりかねません。今回買う商品の価値と、前の機会への悔しさを分けます。

大きな利益の直後にも、同じ数量管理が必要です。利益が出たので損失への余力が増える面はありますが、次の取引が成功する確率まで自動で上がるわけではありません。上限を変更するなら、相場の新情報と資産全体への影響を確認し、興奮した直後だけ例外にしていないかを見ます。

注文理由と直前の出来事を照合する

日誌には、注文の根拠、数量、直前に起きた出来事、そのときの気持ちを別々に残します。結果が出た後も元の記録を消さず、利益が出た予定外の取引と、損失が出た計画どおりの取引を分けて振り返ります。結果だけでは手順の適切さを判断できません。

数量変更の条件を事前に決め、条件を満たさないときは注文を保留して資料を読み直す方法があります。保留すれば必ず有利な価格になるという意味ではありません。判断基準を戻す時間を確保するためです。自分の感情を責めるより、変更履歴で発見できる行動へ点検対象を絞ります。

出典