三羽烏のデメリットと注意点|使いすぎで失敗しない見方

三本の陰線なら、どれも同じとは限らない

陰線が続いたので、まだ下がるはずだと売りを考えると、形が完成するまでに下げた値幅を忘れやすくなります。三羽烏を使いすぎる時の弱点は、過去の下落の確認を、その後の下落の保証へ変えてしまうことです。

三羽烏は黒三兵とも呼ばれ、長い実体の陰線が3本続き、終値を順に下げる反落候補です。TradingViewの説明では、2本目以降が前の実体の内側で始まり、その日の安値付近で終わる形を扱っています。資料ごとに判定の細かさが異なるため、使う条件をそろえます。

陰線は、その期間の終値が始値を下回る足です。それだけでは前日より終値が安いとは限りません。単に陰線を三つ数えることと、始値や終値の位置関係を点検することは別です。

完成後の空売りが、反発で損失になる仮例

独自の架空日足で、1日目を始値1,300円・終値1,250円・高値1,310円・安値1,245円、2日目を1,280円・1,210円・1,285円・1,205円、3日目を1,240円・1,170円・1,245円・1,165円とします。上昇後に現れたと仮定し、2、3日目は前日の実体の中で始まり、安値付近で終わっています。

しかし、4日目が始値1,220円・終値1,305円・高値1,315円・安値1,215円と反発するケースも、価格の設定として矛盾しません。図はこの失敗例で、実際の頻度を示してはいません。

仮に3日目の1,170円で100株を空売りし、4日目に1,305円で買い戻せたなら、差額の損失は(1,305−1,170)×100=13,500円です。両価格で成立した仮定で、費用や税金、配当関連の調整は除いています。形の完成は損失を防ぐ条件ではありません。

出た場所と、完成前後の情報をそろえる

上昇後の失速と、すでに大きく下がった後の陰線では、同じ見た目でも経緯が違います。直前の上昇、値下がりの大きさ、出来高、決算などの発表と合わせて記録します。出来高が増えても、その後も同じ方向へ進む保証はありません。

日足が完成する前には、始値と現在値の関係やヒゲが変わります。引け後の形を使った説明と、取引中に見えた形を同じ条件で比べることはできません。短い時間足の3本を、長期の事業悪化の証拠と数えることも不適切です。

過去の成功例だけを集めると、形が出た後に横ばいになった例や反発した例が消えます。勝率を語るには、対象銘柄、期間、判定条件、売買条件を固定した検証が必要です。

売る価格を決めても、そこで成立するとは限らない

信用取引の空売りでは、株を借りる費用なども関わります。逆指値を置いた場合も、トリガーへの到達は発注条件であり、指定価格での成立を保証しません。成行なら離れた価格で買い戻す場合があり、指値なら未成立となる場合があります。

そのため、三羽烏を見つけたことと、想定する損失や注文を実行できることを分けます。保有株の見直し、新規購入の見送り、追加情報を待つなど、形を見て行う判断は空売りだけではありません。過去の足型が示す範囲を限定して使うことが、このパターンの過信を避ける方法です。

出典