長い足が隣にあるだけでは、包み足とは限らない
昨日の短い陰線の隣に、今日は長い陽線がある。目立つ組み合わせですが、長さだけを比べても包み足かどうかは決まりません。始値と終値の間にある太い部分、つまり「実体」の上下が、前日の実体を越えているかを見ます。
本記事では、連続する2本で、2本目の実体が1本目の実体を上下に覆う形を包み足と呼びます。陰線を陽線が包む場合は強気側、陽線を陰線が包む場合は弱気側の反転候補として読むことがあります。どちらも、それ以前のトレンドとの関係が必要です。
ヒゲは高値や安値までの細い線です。ここでは実体を基準にしており、ヒゲを含む値幅全体の包み込みを必須とはしません。TradingViewの説明も、この条件と高安値全体を包む条件を区別しています。資料やツールで判定範囲が異なる場合は、まず条件をそろえます。
4本値を並べると、実体とヒゲを分けられる
架空の日足で、1日目の始値980円、終値950円、高値1,000円、安値940円とします。2日目は始値945円、終値990円、高値995円、安値935円です。図はこの二日間だけを描いています。
1日目の実体は950~980円、2日目の実体は945~990円で、後者が前者を包みます。一方、2日目の高値は前日の高値より低いので、高安値の全範囲を包んではいません。「包み足だから昨日の最高値も越えた」と読むと誤りです。
始値や終値が同じ境界に重なる場合を含むかどうかも、判定方法によって差があります。この例は上下を明確に越える数値にしています。なお、二日分の4本値だけで、当日どんな順番で高値・安値を付けたかや、どの投資家が売ったかまでは特定できません。
どこに出たかで、反転候補の意味が変わる
下落が続いた後の陽線の包み足なら、直前までの下方向の動きが弱まったかが問いになります。上昇後の陰線の包み足なら、上方向の勢いが続かなくなったかを検討します。値動きが横ばいの中では、同じ形が単なる往復の一部になることもあります。
そのため、二本だけを切り出した図では出現前のトレンドまで判断できません。実際のチャートでは、直近の高値・安値を切り下げてきたか、どの価格帯で足が出たかなどを前の期間と一緒に見ます。
出来高が増えた場合も、参加が増えたことと将来の方向は別です。決算や材料の発表を伴う急変なら、その内容と継続性も確認しないと、形だけで企業価値の変化を説明してしまいます。
完成した足を見てからでも、次の値動きは未確定
取引時間の途中では終値がまだ決まらず、一時的に包んで見えた実体が引けにかけて縮む場合があります。日足を使う説明なのか、進行中の足で判断しているのかは区別が必要です。
完成後でも次の足で逆方向へ動く場合があります。条件を検証するなら、どの時点で形を判定し、いつの価格で売買したと仮定するかを固定します。後から反転に成功した例だけを集めても、包み足を使った取引の有効性は分かりません。