もうはまだなりを投資判断でどう見るか

同じ値上がりを見て、違う言葉が浮かぶとき

上がっている株を見て、「もう天井かもしれない」「少し下がるまで待ちたい」「最安値を逃したから買えない」と迷うことがあります。この三つは、転換点の予想、注文したい価格、最高の結果へのこだわりという別の問いです。格言を一つ選べば注文が決まるわけではありません。

「もうはまだなり、まだはもうなり」は、自分の判断と相場が食い違う可能性を点検する言葉です。ほかの格言と並べるなら、同じ日に思い浮かんだという理由だけで、同じ売買サインと扱わない比較が必要です。

三つの格言が指す問題をそろえる

格言主に点検すること言葉だけでは決まらないこと
もうはまだなり、まだはもうなり転換した・続くという予想への過信次の価格が上か下か
頭と尻尾はくれてやれ底値買い・天井売りを求めすぎること途中ならどこで買ってもよいか
押目待ちの押目なし希望した値下がりが来ない可能性現在価格を追いかけてよいか

いずれも、株価の確定的な予測式ではありません。三つを同時に思い出しても、独立した三種類の買い材料が得られたとは言えません。同じ価格の動きについて、自分の迷いを別の角度から眺めている場合があるからです。

希望価格を待つ人の独自例

架空の銘柄が上昇して1,100円になり、投資家が1,000円まで下がったら買うと考えた場面を置きます。「もうはまだなり」からは、もう上昇が終わるという感覚に根拠があるかを問えます。「押目待ち」からは、希望価格に届かず上がり続ける場合も考えられます。

「頭と尻尾」の視点では、以前の安値を逃したことだけを理由に判断できなくなっていないかを読めます。それでも、1,100円が今の企業に対して妥当かは別に調べる必要があります。言葉の使い分けによって、買う義務や売る義務が生まれるわけではありません。

格言を選ぶ前に、決めたい問いを残す

例の人が本当に決めたいのは、会社を保有したいのか、予算に合う数量はいくつか、どの価格条件を置くかという点です。希望価格で成立しないなら購入を見送ることもできます。待ったために上昇を逃したとしても、出していない資金に売買損が出たわけではありません。

自分に都合のよい格言だけを後から選ぶと、どんな結果でも正しい説明にできてしまいます。判断する前の価格条件と企業を見る根拠を残しておけば、後からの格言の当てはめと、実際の検討を区別できます。言葉の比較は、その問いを整理するための作業です。

出典