20年間で入れるお金は240万円
口座の残高を見て、すべて運用で増えたお金だと思うと、自分が入れた元本を二重に数えてしまいます。月1万円を20年間続けた場合も、まず入金した額と価格変動による損益を分ける必要があります。
次の独自の試算では、毎月1万円を240回拠出するので、元本の合計は240万円です。これは将来の利益ではなく、入金額の合計です。
実際には積立を止めた月、増額した月、売却した履歴もあるため、残高だけを比較すると成果を取り違えます。20年という年数にかかわらず、買付履歴や入金累計を残しておくと、自分の資産が何によって変わったかを確認できます。
条件をそろえた利回り別の計算
次の表は、各月末に拠出し、運用成果を再投資する計算です。最後の拠出は評価時点と同じ月末なので、それ自体の運用期間はありません。年率を12で割った一定の月率を使い、売買費用・保有費用・税・物価変動は含めていません。商品の将来成績の予測や、過去の運用実績ではありません。
| 仮定の年率 | 20年後の評価額 | 元本240万円との差 |
|---|---|---|
| −3% | 約180.6万円 | 約−59.4万円 |
| 0% | 240万円 | 0万円 |
| 3% | 約328.3万円 | 約88.3万円 |
| 5% | 約411.0万円 | 約171.0万円 |
| 7% | 約520.9万円 | 約280.9万円 |
一定の年率を使うと滑らかな成長に見えますが、実際の価格は上下します。表のマイナス3%を下回る結果になる場合もあります。利益の大きい行を採用して、必要資金を必ず準備できるとは考えません。
自分で計算するときの式
月の拠出額をA、月率をr、積立回数をnとすると、月末積立の将来額は「A×{(1+r)のn乗−1}÷r」で計算します。ここではA=10,000円、n=240回です。年率3%ならr=0.03÷12。rが0のときは割り算せず、A×nとします。
同じ「年3%」でも、実効年率から月率へ換算する方法や、月初に積み立てる条件では結果が変わります。別の試算と数字が違うときは、積立時点・利率の換算・費用の有無をそろえると、差の原因を追えます。
表の残高へ、使う直前の下落を重ねる
表の5%の行で約411万円となった後に、資産全体が20%下がる条件を加えると、約328.8万円です。年率を固定した試算だけでは表れない、取り崩す時点の変化を加えています。相場予想や損失の上限ではありません。
値下がり後も持てる資金か、期日に現金が必要な資金かで、計画に求める条件は違います。
学費など支払日が決まっている資金を、直前まで値動きの大きい商品に置いたままにすると、売る時期を選べなくなります。使う時期が近づいたら、必要額をどのタイミングで現金化するかも検討します。NISAの非課税保有期間が無期限でも、家計の支払期限がなくなるわけではありません。
20年後の金額と、買える物の量は別
試算は将来の名目金額です。物価が上がれば、同じ名目金額でも購入できる物やサービスが少なくなります。老後資金や教育資金を考えるときは、将来の残高だけでなく、必要な支出が増える場合も検討します。
NISAでは制度の条件を満たす運用益が非課税になりますが、元本割れを防ぐ効果はありません。月1万円も、家計にとって無理のない金額かどうかは人によって異なります。支出や収入が変わったときは、積立を続けること自体を目的にせず、金額と資金配分を見直します。
出典
制度・税制の確認日:2026年10月23日。