まず結論
アクティブETFとは、日経平均株価など特定の指数への連動を目的とせず、運用会社が定めた方針に基づいて組入銘柄や配分を判断するETFです。日本では2023年に東証の上場制度が整備されました。
運用会社が注力するのは、指数連動型とは違う運用価値を示しやすく、運用管理費用を設定する余地があるためです。ただし、手数料収入は純資産残高に左右されます。資金が集まらなければ採算化は難しく、調査、人材、売買、上場維持などの費用もかかります。「高い信託報酬=高い利益率」と単純には決まりません。
インデックスETFとの違い
| 比較点 | インデックスETF | アクティブETF |
|---|---|---|
| 運用の基準 | 特定の指数への連動を目指す | 独自の運用方針に沿って判断する |
| 銘柄の入れ替え | 指数変更などに対応 | 必要に応じて機動的に変更できる |
| 成果の見方 | 指数との連動度が中心 | ベンチマークや同種商品との比較が重要 |
| 主な注意点 | 連動誤差、費用、流動性 | 運用者の判断、費用、売買回転、流動性 |
「下落時に現金を増やせる」とは限りません。現金比率や投資対象には商品ごとの運用方針・約款があり、その範囲内で運用されます。頻繁な売買も、判断が当たれば強みになりますが、取引コストが増える要因です。
ETFとして価格を保つ仕組み
ETFには、取引所で付く市場価格と、保有資産から計算する基準価額があります。指定参加者は大口の設定・交換に関わり、裁定取引が働くことで両者の大きな乖離が縮まりやすくなります。
日本のアクティブETFは、2026年7月11日時点で、前日の基準価額算出時点のポートフォリオ情報を日々開示する仕組みです。米国には実際の保有銘柄の代わりに代理ポートフォリオなどを示す半透明型・非透明型もありますが、日本の現行制度と同じではありません。
運用会社の収益はどう決まるか
収益の土台は、主に純資産残高に応じて受け取る運用管理費用です。概算は次のように考えられます。
年間の運用管理費用相当額 = 純資産残高 × 運用管理費用率
例えば、残高1,000億円、年0.5%なら年5億円相当です。ただし、これはファンド全体で負担する費用の概算であり、その全額が運用会社の利益になるわけではありません。受託会社などへの配分、運用・調査、システム、法務、指数を使う場合のライセンス、上場・開示対応などを差し引いて考える必要があります。
ETFは取引所で売買でき、販売会社が個々の購入・解約を処理する一般的な非上場投信とは流通経路が異なります。このため商品提供を効率化できる面はありますが、販売・広告費や証券会社などへの支払いが「一切不要」とは限りません。
貸株収益は誰のものか
保有株式を貸し出すETFでは、貸株が追加収益になる場合があります。しかし、通常はまずファンドの収益として扱われ、基準価額や運用成績に反映される性質のものです。貸株代理人への報酬などが差し引かれることもあります。
したがって、貸株収益をそのまま運用会社の「ボーナス利益」とみなすのは正確ではありません。貸株の可否、収益配分、借り手の信用リスク、担保管理は商品資料や運用報告書で確認します。
投資家が確認したい5項目
実際に比較するなら、次の順で目論見書や月次資料を確認すると整理しやすくなります。
- 何を基準に銘柄を選ぶのか
- 運用管理費用と総経費率はいくらか
- 純資産残高と日々の売買高は十分か
- 市場価格と基準価額の乖離、売買価格差は大きくないか
- ベンチマークを費用控除後で上回れているか
アクティブ運用には市場平均を上回る可能性がある反面、下回る可能性もあります。テーマ型や中小型株中心なら、銘柄集中や流動性低下にも注意が必要です。スマートフォンで買いやすいことと、運用内容が自分に合うことは別の話です。
まとめ
アクティブETFは、運用会社の判断を取引所で売買できる形にした商品です。運用会社には差別化と残高連動収入の機会があり、投資家には日中売買や選択肢の広がりがあります。
ただし、「インデックスETFより必ず高収益」「半透明型だから手の内を隠せる」「貸株収益が運用会社に入る」と一括りにはできません。地域ごとの制度と商品ごとの費用・運用実績を分けて見ることが大切です。
出典
- 日本取引所グループ「アクティブ運用型ETFの概要」
- 日本取引所グループ「ETFの仕組み」
- 米国証券取引委員会(SEC)「Securities Lending by U.S. Open-End and Closed-End Investment Companies」
- 米国証券取引委員会(SEC)非透明型アクティブETF申請資料