ロマンス詐欺の典型的な流れ SNSで 接触 恋愛・信頼 を演出 投資・費用 を要求 追加送金 を要求 出金のための追加費用は払わず、すぐ相談 kabutrack.com

まず知っておきたい被害の規模

警察庁の確定値によると、2025年のSNS型ロマンス詐欺は5,645件、被害額は546.4億円でした。前年に比べ、件数は47.6%、被害額は36.3%増えています。

なかでも暗号資産送信型は2,177件、247.7億円で、件数は前年比177.0%増、被害額は189.7%増でした。入り口は恋愛でも、途中から投資話に変わるケースが目立ちます。

以下は、警察庁や国民生活センターが公表する複数の手口を組み合わせた架空の再構成例です。人物、職業、会話、金額は特定の相談事例をそのまま再現したものではありません。

事例1 少額出金の後に暗号資産への追加入金を迫られる

マッチングアプリで知り合った相手から、毎日のように結婚や将来の話をされます。やがて「二人の資金を増やそう」と海外の投資サイトを紹介され、少額を入金すると画面上では利益が増え、最初だけ出金にも成功しました。

信用して入金額を増やしたところ、出金時に税金や保証金を要求されます。支払いを断ると、相手と連絡が取れなくなり、サイトにも入れなくなりました。

ここでの注意点は、少額出金が安全性の証明にはならないことです。国民生活センターにも、最初は出金できたものの、後から保証金を求められ、結局出金できなかった相談が寄せられています。

事例2 外国の軍人を名乗り、退職費用や通関料を求める

海外勤務の軍人を名乗る人物がSNSで接触し、「任務が終わったら日本で暮らしたい」と交際や結婚をほのめかします。数か月後、退職手続き、荷物の通関、保管料などを理由に個人名義の口座へ送金するよう頼まれました。

軍人、医師、パイロット、国際機関職員など、信用されやすい肩書きが使われることがあります。写真や身分証が送られてきても本人とは限りません。ビデオ通話を避ける理由が続く場合も、言葉ではなく外部情報で本人確認をする必要があります。

事例3 結婚後の共同事業を口実に資金を集める

海外在住を名乗る相手から「日本で一緒に店を開こう」と提案され、開業資金の負担を求められます。送金後には、現地登録費や資金移動の保証金が必要になったとして、支払い理由が次々に追加されました。

将来の共同生活や事業の話は、送金を相手への援助ではなく「二人の計画」に見せます。会社、契約、資金の保管先を第三者が確認できず、相手の説明だけで送金する状況なら、一度止まるべきです。

事例4 病気や事故を理由に急いで送金させる

来日を約束していた相手から、出発直前に家族の手術費が必要だと連絡が入ります。一度支払うと、本人の事故、渡航手続き、航空券の再購入など、新たな問題が起きたとして送金を繰り返し求められました。

病気、事故、盗難、入国手続きといった話は、確認する時間を奪うために使われます。事情が本当か判断できないまま急がされたら、相手が指定した連絡先ではなく、公的機関や家族など別の経路で確認します。

事例5 著名人の秘密アカウントを装う

俳優、歌手、投資家などを名乗るアカウントからDMが届き、「これは秘密のアカウント」「他の人には話さないで」と特別な関係を演出します。その後、会うための警備費、会員費、投資案件などの名目で金銭を求められます。

認証マークや有名人の写真だけでは本人と確認できません。公式サイトからたどれるアカウントかを確認し、秘密や送金を求めるDMには応じないことが大切です。

5つの事例に共通する流れ

段階相手の行動止まるべきサイン
接触SNSやアプリから別のチャットへ誘導外部サービスへの移動を急がせる
信頼づくり毎日の連絡、愛情、結婚の約束短期間で特別な関係を強調する
情報収集家族、仕事、貯蓄を聞く資産状況を細かく尋ねる
送金投資、治療、渡航、事業の費用を頼む個人口座や暗号資産を指定する
追加要求税金、保証金、手数料を求める払わなければ返金できないと迫る

「恋愛」と「お金」が結びついた時点で、相手との関係から離れた人に相談します。直接会ったことがある相手でも、投資先や送金理由の確認は別に必要です。

被害に気づいたら保存するもの

追加送金を止め、相手を問い詰める前に証拠を保存します。

  • メッセージ履歴とSNSのプロフィール
  • 投資サイトやアプリの画面、URL
  • 振込先口座、振込明細、送金記録
  • 暗号資産の送付先アドレスと取引ID
  • 相手から届いた写真や身分証の画像

銀行振込なら、警察と振込先の金融機関へ早く連絡します。振込先口座に残金がある場合、振り込め詐欺救済法に基づく被害回復分配金の対象となることがありますが、返金が保証される制度ではありません。警察相談専用電話は「9110」、消費者ホットラインは「188」です。

まとめ

ロマンス詐欺は、恋愛感情を抱かせてから、投資や緊急費用へ話を移します。少額出金、信用のある肩書き、結婚や共同事業の約束、突然の事故は、それぞれ相手を信じさせたり判断を急がせたりする材料です。

秘密にする、急がせる、個人口座や暗号資産へ送らせる、追加費用を重ねる。この流れが見えたら、関係を証明しようとして送金を続けず、証拠を残して公的窓口へ相談してください。

出典

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