まず結論
次の依頼は、通常のアルバイトではありません。
- 使っていない口座やキャッシュカードを買い取る
- ネットバンキングのIDや認証情報を預かる
- 自分の口座で受け取ったお金を別口座へ移す
- 送金額の一部を報酬として受け取る
口座名義が自分でも、他人に使わせる目的で通帳等を譲り渡す行為は自由ではありません。すでに応じてしまった場合は、追加の送金や連絡を止め、金融機関と警察へ早めに相談します。
2026年7月10日に変わったこと
警察庁によると、改正の柱は次の3点です。このうち最初の2点が2026年7月10日に施行されました。
| 改正項目 | 内容 |
|---|---|
| 通帳等の不正譲渡 | 罰則を引き上げ |
| 送金犯罪 | 有償で口座を使った資金移動を依頼・実行する一定の行為に罰則を新設 |
| 架空名義口座 | 公布から1年以内の政令指定日に施行 |
一般の不正譲渡等は3年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金、業として行う場合は5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金へ引き上げられました。送金犯罪は通常の場合で2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、業として行う場合は3年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金です。
「送金バイト」でつまずきやすい点
問題は、犯罪グループへ口座そのものを渡すケースだけではありません。名義人本人が銀行アプリを操作し、入金された資金を指定先へ送り直す形でも、資金移動に加担することがあります。
正当な商取引や家族への生活費送金まで一律に処罰する制度ではありません。ただし、仕事内容を説明できない、見知らぬ資金を扱う、送金だけで高額報酬が出る、といった依頼には正当性を期待できません。
応じてしまったときの対応
- 追加の送金、出金、連絡を止める
- 利用した金融機関へ事情を伝える
- 振込記録、相手のアカウント、メッセージを消さずに保存する
- 緊急時は110番、相談は警察相談専用電話「9110」を利用する
自分だけで資金を戻そうとして別の送金をすると、被害や関与が広がるおそれがあります。事実関係を整理し、金融機関と警察の指示を受けるのが先です。
まとめ
覚えておきたい線引きは、「口座を売らない」だけではありません。自分の口座を他人の資金の中継地点にしない、認証情報を渡さない、送金だけの高額バイトに応じない。この3点が実務的な防止策です。