まず結論
DESは、Debt Equity Swapの略です。会社の借金(Debt)を株式(Equity)に交換します。金融機関や債権者が、返してもらうはずだった債権の代わりに株式を受け取るイメージです。
会社側には大きな利点があります。借金が減り、自己資本が増えるため、債務超過の解消や財務制限条項への対応に使えるからです。返済負担も軽くなります。
既存株主に起きること
問題は希薄化です。DESでは新株が発行されることが多く、発行済株式数が増えます。会社全体の価値が同じなら、1株あたりの取り分は薄くなります。議決権比率も下がります。
たとえば既存株式が100株の会社で、債権者に新株100株を渡すと、既存株主の持分は全体の100%から50%へ下がります。会社が倒れるよりはまし、という場面もありますが、株主にとって痛みのない再建策ではありません。
投資家が見るポイント
DESの開示では、発行株数、発行価格、割当先、債務の減少額、債務超過の解消見込みを確認します。特に発行価格が市場価格より大きく低い場合、需給面の重さが残りやすくなります。
もう一つ見るべきは、DES後に本業が黒字化するかです。借金を株式に変えても、営業赤字が止まらなければ、また資金調達が必要になります。財務の見た目だけでなく、キャッシュを生む力が戻るかを見ます。
まとめ
DESは、経営危機の会社に時間を与える財務再建策です。負債を減らし、純資産を回復させる効果があります。
ただし既存株主には希薄化が起きます。投資家は「債務超過が解消される」という一文だけでなく、何株増えるのか、誰が大株主になるのか、再建後に利益とキャッシュが戻るのかまで確認します。