ゼロサムゲームとは
参加者Aが100円得たとき、参加者Bが100円失い、全員の損益合計がゼロになる仕組みをゼロサムゲームと呼びます。賭け金を参加者同士で分けるゲームが典型です。運営費や手数料を引けば、参加者全体ではマイナスサムになります。
競馬や宝くじはマイナスサムになりやすい
賭け金を参加者の間で分けるだけならゼロサムですが、実際の公営競技や宝くじでは、売上の一部が運営費、自治体の収益金、賞金以外の費用などに回ります。そのため参加者へ戻る金額の合計は、購入額の合計を下回ります。
「当たった人がいる」ことと、「参加者全体が元の金額を回収できる」ことは別です。ここを分けると、テラ銭や還元率の意味を理解しやすくなります。
FXは相対価格を競う
FXは通貨ペアの交換比率を取引するため、同じ価格変動について買い手の利益と売り手の損失が対応しやすい商品です。スプレッドや手数料を差し引くと、参加者全体ではマイナスのコストが残ります。
ただし、FXには輸出入企業の決済や為替変動を抑えるヘッジもあります。投機だけを前提に「すべてが単純な賭け」と決めつけないことも必要です。
株の売買だけを見るとどうか
市場で株を買うには売る人が必要です。買った後に値上がりすれば、新しい買い手がより高い価格を支払います。この場面だけ見ると、後で高く買った人が損を引き受けるように見えます。
しかし、売り手は売却後に株価が上がっても損失が確定したわけではありません。安く買って利益を得ていた、別の用途へ資金を移した、リスクを減らしたなど目的が違います。
株式には企業活動がある
株式は会社の持分です。会社は商品やサービスを提供して利益を得て、配当や自社株買いで株主へ還元できます。利益を再投資して事業価値が増えることもあります。市場参加者だけで固定された賞金を奪い合う構造ではありません。
JPXも、取引所には価格発見だけでなく、企業が新株発行で資金を調達し事業を広げる環境を支える役割があると説明しています。
ゼロサムに近い部分もある
指数を上回る成績を競うアクティブ運用は、平均に対する相対勝負です。短期売買で同じ値動きを取り合う場面も、ゼロサム性が強くなります。そこから手数料、スプレッド、税を引けば、参加者全体の取り分は減ります。
株式市場全体がプラスサムになり得ることと、自分の銘柄が利益になることは別です。企業が赤字になり、配当を止め、倒産すれば株主は損をします。
まとめ
ゼロサムゲームは、利益と損失の合計がゼロの関係です。株式には企業利益と成長という外部からの価値があるため、市場全体を単純なゼロサムとは呼べません。ただし、短期の相対競争や費用控除後の売買は厳しいゲームです。「市場が成長する」と「どんな買い方でも儲かる」を混同しないことが要点です。