年率表示でも、請求書が届くわけではない
信託報酬は、投資信託の運用や資産管理、販売会社による事務の対価として、保有中に信託財産から差し引かれる費用です。年率で表示されることが多く、基準価額や運用成績には日々反映されます。投資家が別途請求書を支払う形ではありません。
たとえば信託報酬が年率0.5%の商品を100万円分持つと、単純計算では一年あたり約5,000円相当です。実際の控除額は日々の純資産額を基に計算されるため、保有額や期間、基準価額の変化で異なります。
似た指数の商品でも費用は違う
同じ指数に連動するインデックスファンド同士は、信託報酬が比較材料になりやすいものの、費用だけで決めると実際の追随状況を見落とします。指数との乖離、売買コスト、純資産規模、繰上償還の可能性も関係します。運用報告書には信託報酬以外の実質的な負担が記載されることがあります。
アクティブファンドは、調査や銘柄選択にかかるコストを背景に費用が高めになる場合があります。その分の成績が将来も続くとは限らないため、過去リターンを信託報酬控除後で比べることが大切です。購入時手数料や信託財産留保額など、別の費用がある商品もあります。
長期では差が積み上がる
費用率の小さな差でも、運用期間が長く、保有額が大きいほど累積の影響が広がります。ただし将来の収益を保証する計算ではありません。商品を選ぶ際は、目論見書で費用を確かめたうえで、投資対象や運用方針が目的に合っているかを先に整理します。
保有額100万円で年率0.1%の差なら、単純換算で年1,000円程度の違いです。長期では複利や残高の変化もあるため単純計算と一致しませんが、投資対象が同じ商品を比べる際には費用の差を具体的な金額に直すと判断材料になります。