利息を受け取らず、価格差でリターンを得る
ゼロクーポン債は、通常の利付債のように保有中の利息(クーポン)を定期的に支払わない債券です。額面より低い価格で発行・取引され、満期に額面金額を償還する形が代表的です。購入価格と償還額の差が、満期まで保有した場合の収益の主な源になります。
たとえば額面100万円の債券を90万円で買い、満期に100万円を受け取るなら、差額は10万円です。ただし税金や手数料を考慮する前の単純例で、実際の商品条件は異なります。途中で売る場合は市場価格が購入価格を下回ることもあります。
金利変化の影響を受けやすい
途中の利払いがない分、受取キャッシュフローが将来に集中します。そのため市場金利が上がると、既発債の価格は下がりやすく、残存期間が長いほど変動が大きくなる傾向があります。満期まで持つ計画でも、換金が必要になる可能性や債券発行体の信用リスクは残ります。
米ドル建てなど外貨建ての商品では、円換算の受取額が為替で変わります。額面に近づくから安心と考える前に、満期日、通貨、信用力、途中売却時の価格、税務上の扱いを商品説明資料で確かめます。
利付債との比較で見る
定期収入が欲しい人には利付債の方が家計に合う場合があります。一方、将来の特定時期に受け取る資金を組み立てたい場合、ゼロクーポン債が候補になることがあります。どちらも価格変動と信用リスクを伴い、預金のように元本が保証される商品ではありません。
満期までの残存期間が長いほど、一般に市場金利の変化が価格へ及ぼす幅は大きくなります。必要な時期に換金する可能性があるなら、満期保有を前提とした償還額だけでなく、途中の価格変動も資金計画に織り込んでおきます。
発行体が債務不履行となれば、満期の額面償還が行われない可能性もあります。割引価格で買う仕組みは信用力の代わりになりません。発行体の格付けや財務状況、外貨建てならその国の信用・為替も検討材料です。