記事の図解

まず結論

DOE(Dividend on Equity Ratio、株主資本配当率)は、株主資本に対する配当の割合です。企業が利益をいくら出したかではなく、積み上げてきた株主資本を基準に配当水準を見ます。

配当性向は当期利益に対する配当の割合なので、利益が大きく動くと数値も変わります。DOEは分母が株主資本であり、利益の一時的な増減だけでは動きにくい指標です。ただし、DOEが高ければ配当を長く維持できる、という保証にはなりません。

計算方法

基本的な式は次のとおりです。

DOE(%)=年間配当総額 ÷ 株主資本 × 100

たとえば、年間配当総額が40億円、株主資本が1,000億円なら、DOEは4%です。1株当たり配当金と1株当たり株主資本を使う場合も、配当金を株主資本で割って求められます。

会社の開示では、期末の株主資本を使う方法や、期首・期末の平均を使う方法などがあります。また「株主資本」「自己資本」「純資産」のどれを分母にするか、連結・単体のどちらで計算するかも資料によって異なります。会社間で比べる前に、各社の算定方法をそろえてください。

配当性向・ROEとの関係

同じ会計範囲や期間、整合する定義で計算すると、DOEは「配当性向×ROE」と表せます。たとえば配当性向が40%、ROEが8%なら、DOEは約3.2%です。利益のうち配当に回す割合と、株主資本から利益を生む力の両方が反映されます。

この関係から、DOEが変わった理由を考える手がかりになります。配当性向が上がったのか、ROEが変わったのか、または株主資本や会社の計算定義が変わったのかを分けて見ると、数値の背景をつかみやすくなります。

見るときの注意点

DOEを配当方針に採用する企業は、利益が一時的に落ち込んでも配当水準を維持しやすい設計にする場合があります。一方、赤字や資金繰りの悪化が続けば、株主資本を取り崩して配当を続けるのは難しくなります。営業キャッシュフロー、借入金、設備投資の必要額、利益の見通しもあわせて確認します。

DOEの数値だけで銘柄の良し悪しは決まりません。配当利回りのように株価に対する受取額を示す指標でもないため、投資家が受け取る配当額を知りたいときは1株当たり配当金や配当利回りを見ます。DOEは会社の株主還元方針を読むための一材料です。

まとめ

DOEは株主資本を基準に配当の水準を測る指標で、配当性向とあわせると還元方針をより立体的に見られます。算定範囲や分母の定義は会社ごとに確認し、利益やキャッシュの状況とあわせて読みます。

出典

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