会社へ資金が入る新株の発行
会社が新しい株式を発行して資金を集める際、市場で売買される価格を基準に発行価格を決める方法を時価発行といいます。価格変動や募集条件を考慮して、市場価格から一定の割引を設ける場合もあります。
取引所で投資家同士が株を売買することとは異なります。新株の発行では会社の株数が増えるため、調達する現金と既存株主の持ち分の割合が同時に変化します。名前に時価があることだけで、既存株主に有利と判断はできません。
90円で20万株を発行する例
架空の会社の株価が100円で、90円を発行価格として20万株を新たに発行すると仮定します。費用を除く調達額は1,800万円です。もともと100万株あったなら、発行後の株数は120万株になります。
1万株を持つ投資家の保有比率は1%から約0.83%になります。会社に現金が増える一方、株数が増えた影響もあるという例です。実際の募集条件や株価への影響を予測する計算ではありません。
1株当たりの利益が変わる場合
会社全体の利益が変わらなければ、株数が増えることで1株当たり利益は小さくなります。一方、調達資金による投資が成功し、利益がそれ以上に増えれば、長期的な評価は異なります。増資は必ず悪いという結論にもなりません。
発行の目的、資金を使う時期、事業から利益が出るまでの期間に違いがあります。赤字の穴埋めなのか、利益を広げる設備投資なのかで、同じ価格や株数でも見方が変わります。
発行条件の説明で読む項目
価格を決める基準日、実際の発行価格、新株数、払込時期、資金使途を並べます。既存株主が売る売出しも同時に行う場合には、新株の発行と売出しを分けます。会社へ入る資金は同じ仕組みではありません。
この記事は2026年10月4日に一般的な意味を確認したもので、法的な手続きや個別案件の適否を判定するものではありません。具体的な発行には、会社の正式な条件と、利益が増えるまでの不確実性が判断材料になります。
まとめ
時価発行は発行価格の決め方です。株価だけでなく新株数と資金使途を読み、調達の効果と既存株主の持ち分の変化を両方考えます。
出典
- 東海東京証券「時価発行増資」(2026年10月4日確認)