発電事業の返済原資はどこから来るか

プロジェクトファイナンスとは

学習優先度:★★★(3段階の目安)

プロジェクトファイナンスは、ある事業から得られるキャッシュフローを中心に返済を組み立てる融資です。キャッシュフローとは、実際に入ってくるお金と出ていくお金の流れを指します。

事業を行うための会社を設け、設備、販売契約、保険などを組み合わせて資金調達する形がよく使われます。銀行は事業が生み出す資金で返せるかを詳しく調べます。

会社全体への融資と何が違うか

通常の企業融資では、その会社の複数の事業や財務状況も含めて返済力を見ます。プロジェクトファイナンスでは、対象事業の収入、建設費、運営費、契約条件に重点が置かれます。

出資企業に請求できる範囲が限定される契約もありますが、支援義務や完成までの保証を付けるケースもあります。名称だけを見て「親会社に一切責任がない」と決めつけることはできません。

発電所なら売電収入が出発点

説明用に、風力発電所が電気を売り、その代金から運営費や修繕費を支払い、残った資金で元利金を返すケースを考えます。元利金は借入元本と利息の合計です。

会計上の利益が出ていても、大きな修繕や入金の遅れがあれば返済資金が足りなくなることがあります。「発電量が増える見込み」だけでなく、いつ現金が入るかまでが融資の論点になります。

リスクを契約で分担する

発電開始が遅れれば、売電収入がない期間にも費用がかかります。風況や日射量が想定より弱い、設備が止まる、販売条件が変わるといった事態も収入を揺らします。

建設会社、運営会社、保険会社、出資企業、銀行の間で、どのリスクを誰が負うかを契約に落とし込みます。契約を整えることは事業を支えますが、すべての損失をなくせるわけではありません。

グリーン預金とのつながり

銀行が持つ再エネ事業向け融資が、グリーン預金の充当対象となる場合があります。預金者自身がその発電事業へ直接融資するわけではなく、預金契約と事業向け融資契約は分かれています。

ニュースを読むときは、借り手、返済の源、主なリスク、取りまとめる銀行の順に追うと構造がつかめます。プロジェクトファイナンスは資金調達の方法、グリーンは資金使途などの評価軸で、二つは同義ではありません。

出典