まず結論
今回の月次データは、ATMの設置規模と取引量を示す開示だ。総利用件数の増加と1台当たりの利用件数の減少が併存しており、設置台数の拡大が収益に結び付いているかを、決算で追う材料になる。
売上高や利益、業績予想の修正はこの資料に記載されていない。利用件数の伸びだけで増益を見込むには、情報が足りない。
9月のATM指標
| 指標 | 単体の実績 | 前年同月比の増減 |
|---|---|---|
| 月間の総利用件数 | 91.8百万件(9,180万件) | +1.0% |
| 1台1日当たりの平均利用件数 | 106.9件 | −0.7% |
| 月末のATM設置台数 | 28,730台 | +1.7% |
会社資料の前年同月比は、それぞれ101.0%、99.3%、101.7%という指数表記だ。表では前年からの増減率に置き換えた。対象はセブン銀行単体で、連結全体の実績ではない。
月末台数と、平均利用件数の分母は異なる
平均利用件数は、月間の総利用件数を、その月の日々のATM稼働台数を合計した数で割って算出する。9月末の設置台数を分母にした指標ではないため、月末台数の伸びと平均利用件数を掛け合わせても、総利用件数の前年比を厳密には再現できない。
利用件数には、残高照会、電子マネーチャージ、暗証番号変更、利用限度額変更などが含まれない。ATMで行われるすべての手続きを数えた値としても扱わない。
株価材料としては、取引量と採算の結び付きを見る
以下は月次指標から考える確認点である。取引件数が増えても、手数料単価やATMの維持・更新費用などによって利益への効果は変わる。次の決算では、国内ATM事業の収益・費用と、1台当たりの稼働の変化を合わせて読むことになる。
設置台数を増やした効果が続くか、平均利用件数が回復するかは翌月以降の月次で追える。ただし、今回の1か月分から減少の理由や長期的な傾向は確定できず、当日の株価反応も示していない。
公表値は監査を受けていない速報で、後日修正される場合がある。総利用件数と平均利用件数は小数点第2位以下を切り捨てているため、表示値を使った計算にも丸めの差が残る。
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出典
- セブン銀行「2026年9月 月次データ(単体)」(2026年10月13日公表、公式月次データ)。確認日:2026年10月13日。