CCNグループ(131A) 2026年3月期 通期・連結初年度 売上高45.94億円、営業利益率2.7% 通期実績 営業利益 1.24億円 純利益 0.93億円 2027年3月期計画 売上高 55.70億円 営業利益 1.92億円 見るべき負担 のれん 5.64億円 投資CF △4.52億円 M&Aの売上寄与を、利益と営業キャッシュ・フローへ変えられるか kabutrack.com

決算サマリー

項目2026年3月期実績前年同期2027年3月期会社計画計画増減率
売上高45.94億円比較なし55.70億円+21.2%
営業利益1.24億円比較なし1.92億円+54.6%
経常利益1.43億円比較なし1.72億円+19.5%
親会社株主に帰属する当期純利益0.93億円比較なし1.05億円+12.2%
EPS106.12円比較なし119.05円+12.2%

2026年3月期から連結財務諸表へ移行したため、会社は前年同期比を開示していない。営業利益率は2.7%で、売上規模に対する利益の薄さが残る。

セグメント

情報システムソリューションサービス事業の単一セグメントで、売上高45.94億円、営業利益1.24億円である。SAP S/4 HANA移行やERP周辺のWeb・クラウド開発を手掛けるが、サービス別の売上高・利益は開示していない。

財務安全性

総資産29.60億円、純資産6.93億円、自己資本比率23.4%。短期・長期借入金は合計16.49億円、のれんは5.64億円となった。訂正後の営業CFは0.74億円、投資CFはマイナス4.52億円、フリーCFはマイナス3.77億円。M&A資金を借入で賄ったため、財務余力は買収後の利益回収に左右される。

定量評価

指標実績見方
営業利益率2.7%前年比較はないが、ITサービス企業としては薄い
ROE13.5%連結初年度のため期末自己資本を用いた会社開示値
EPS106.12円2027年3月期会社予想は119.05円
自己資本比率23.4%30%を下回り、借入とM&A負担が大きい

増収計画は大きいものの、利益率とキャッシュ創出が同時に改善しなければ評価しにくい決算である。

ポジティブ要因

アバージェンスの連結寄与

2026年2月に全株式を取得したアバージェンスは、当期には貸借対照表のみを連結した。2027年3月期は損益への通期寄与が増収計画の中心になる。

SAP移行需要

SAP ECC6.0のサポート終了を背景に、S/4 HANA移行や上流工程の需要は続く。主要SIer向け請負案件の獲得も一定の成果があった。

20円配当を実施

2026年3月期は期末20円、年間20円を決定した。連結配当性向は18.8%で、前期と同額を維持した。

リスク要因

Fit to Standardによる開発縮小

SAP導入で標準機能へ業務を合わせる企業が増え、従来型の個別開発規模が小さくなる傾向を会社自身が指摘している。

のれんと借入負担

のれん5.64億円は純資産6.93億円に対して大きい。買収先の収益が計画を下回れば、償却負担や減損リスクが意識される。

利益率の低さ

2027年3月期も採用・育成と買収に伴うのれん償却を見込み、会社は売上増に比べ利益率改善が限定的と説明している。

業界動向との関連

DXとERP刷新需要は追い風だが、案件の大型化だけで利益が増える構造ではない。人材不足、外注費、上流コンサルタントの確保、標準化による工数減少の綱引きになる。

株価への示唆

TOKYO PRO Market銘柄で売買実績が乏しく、一般市場のようなPER比較は機能しにくい。2027年3月期予想EPS119.05円よりも、アバージェンスを含む利益率、営業CF、借入返済の進み方を優先して見たい。

今期の総括

既存事業は売上45.94億円を確保したが、営業利益率は2.7%にとどまった。決算の軸は利益成長というより、M&Aを使った次の成長段階へ財務構造が変わった点にある。

来期見通し

2027年3月期は売上高55.70億円、営業利益1.92億円、純利益1.05億円を計画する。アバージェンスの連結寄与で売上は21.2%増を見込むが、のれん償却と人材投資により計画営業利益率は3.4%にとどまる。配当予想は未定である。

訂正開示の反映

CCNグループは2026-06-23に「(訂正)「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について」を開示したため、この記事は訂正後の内容を反映しています。

訂正理由は、「2026 年3月期決算短信〔日本基準〕 (連結)」の公表後、連結キャッシュ・フロー計算書において、 連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得に係るキャッシュ・フローの表示方法に誤りがあることが判明 したため、訂正を行うものであります。

訂正箇所訂正前訂正後
(サマリー情報)(3)連結キャッシュ・フローの状況営業活動による投資活動による財務活動による現金及び現金同等物キャッシュ・フローキャッシュ・フローキャッシュ・フロー期末残高百万円百万円百万円百万円 2026年3月期 74 △882 948 1,158 2025年3月期 ― ― ― ―(3)連結キャッシュ・フローの状況営業活動による投資活動による財務活動による現金及び現金同等物キャッシュ・フローキャッシュ・フローキャッシュ・フロー期末残高百万円百万円百万円百万円 2026年3月期 74 △452 948 1,158 2025年3月期 ― ― ― ―
(3)当期のキャッシュ・フローの概況(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は 882,295 千円となりました。これは主に保険積立金の解約による収入で 63,729 千円、定期預金の払戻による収入で 48,252 千円増加しましたが、関係会社株式の取得および事業譲受による支出で 990,159 千円減少したためであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は 452,143 千円となりました。これは主に保険積立金の解約による収入で 63,729 千円、定期預金の払戻による収入で 48,252 千円増加しましたが、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得および事業譲受による支出で 560,006 千円減少したためであります。 (添付資料 9 ページ) (4)連結キャッシュ・フロー計算書
(4)連結キャッシュ・フロー計算書(単位:千円) 当連結会計年度 (自2025年4月1日至2026年3月31日) 営業活動によるキャッシュ・フロー税金等調整前当期純利益 143,901(単位:千円) 当連結会計年度 (自 2025年4月1日至 2026年3月31日) 営業活動によるキャッシュ・フロー税金等調整前当期純利益 143,901

総合判断

総合判断は中立である。翌期の増収増益計画は前向きだが、自己資本比率23.4%、のれん5.64億円、営業利益率2.7%という負担も重い。M&A後の営業利益率と営業CFが改善するかが次の判断材料になる。

出典