1. 投資判断サマリー
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 更新日 | 2026年9月29日 |
| 総合評価 | ★★★☆☆(中立) |
| 一言サマリー | 2026年6月期は指数・分配込みリターンともに下落。口数は増えたが、円建て基準価額と純資産は前年6月末を下回った。 |
個別企業の売上成長や利益率ではなく、債券指数の値動き、分配、円換算後の基準価額、取引所価格との乖離を見る商品だ。分配金込みリターンは指数を0.29ポイント下回った。
2. 投資評価(星評価・レーダーチャート)
| 評価軸 | 星評価 | コメント |
|---|---|---|
| 成長性 | ★★★☆☆ | 純設定で口数は2.8%増えたが、純資産は運用成績の影響もあり縮小。 |
| 収益性 | ★★★☆☆ | 運用費用比率は0.18%。分配込みリターンは指数を0.29ポイント下回った。 |
| 財務 | ★★★★☆ | 期末純資産は5,963億89百万円。投資資産の99.97%を債券が占める。 |
| 配当 | ★★★☆☆ | 分配は年2回。開示円額は米ドル分配金の参考換算で、受取額と異なる場合がある。 |
| 安定性 | ★★★☆☆ | 8市場に分散する一方、単一の名義口座が口数の98.03%を保有。 |
| 時間軸 | 見方 |
|---|---|
| 短期 | 指数、為替、金利の変化と基準価額の推移を確認する。 |
| 中期 | 分配込みリターンと指数との差、運用費用比率の変化を追う。 |
| 長期 | アジア債券の信用・通貨リスク、売買流動性、分配の推移を合わせて見る。 |
3. 最新決算サマリー
| 項目 | 2026年6月末・当期 | 前年6月末 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 主要投資資産 | 5,961億85百万円 | 6,071億80百万円 | -1.8% |
| 純資産 | 5,963億89百万円 | 6,085億20百万円 | -2.0% |
| 発行済口数 | 34,801,094口 | 33,843,234口 | +2.8% |
| 1口当たり基準価額 | 17,137円 | 17,980円 | -4.7% |
| 連動指数リターン | -1.98% | +13.11% | -15.09ポイント |
| 分配金込みファンドリターン | -2.27% | +12.71% | -14.98ポイント |
| 運用費用比率 | 0.18% | 0.18% | 横ばい |
国内決算短信の資産・基準価額は円表示、年次報告書の運用リターンは米ドル建て。口数は設定1,322,860口、交換365,000口で純増した。事業会社型の売上・営業利益・EPSや来期予想はない。
4. 今回の決算で注目するポイント
純資産が減ったのに口数は増えた。今回は、口数の純増だけで資金需要を評価するより、債券価格を含む運用成績が基準価額に与えた影響を分けて考えたい。実際、円建て基準価額は前年6月末比4.7%下落している。
運用リターンでは、分配込みのファンド実績が-2.27%、指数は-1.98%。差は0.29ポイントだった。ファンドは費用控除前で指数に近い総収益を目指すが、現実の保有コストや税、運用上の差が残る。
5. 投資判断のポイント
| 論点 | 直近の開示 | 次に見る点 |
|---|---|---|
| 指数との差 | ファンドが指数を0.29ポイント下回った | 同じ期間・分配込みで差が広がるか縮むか |
| 国・発行体構成 | 中国政府債18.77%、シンガポール政府債15.75%、韓国国債13.72% | 国別比率や信用環境の変化 |
| 格付け構成 | A格43%、BBB格15%、無格付け5% | 格下げや信用スプレッド拡大の影響 |
| 分配 | 2026年6月期は1口1.51米ドル | 円額は換算参考値。次回の実額を確認 |
| 市場での売買 | 取引所価格は需給で基準価額からずれることがある | 出来高、スプレッド、NAVとの乖離 |
6. リスク要因
- 金利・信用リスク: 保有債券の利回り上昇や発行体の信用悪化は債券価格を押し下げる。格付け別ではBBB格が15%、無格付けが5%だった。
- 地域集中: 8市場へ分散するものの、中国政府債だけで純資産の18.77%を占める。中国の財政・市場環境の変化は無視できない。
- 為替変動: 連動対象は複数のアジア通貨建て債券で構成される。円ベースの投資家には各通貨と円の変動も重なる。
- 需給・名義集中: 年次報告書では、10%超を持つ名義口座が1者、保有比率は98.03%。実質保有者の内訳はこの開示から分からない。
7. 成長性
ここでいう規模拡大は、企業の売上成長ではなく、受益権口数と純資産の変化を指す。2026年6月末の口数は前年末比2.8%増えたが、円建て純資産は2.0%減り、基準価額は4.7%下落した。純設定が続くかに加え、運用成績が資金流入を上回るかを確認したい。
8. 総合評価
指数連動型の商品として、費用比率は0.18%で横ばい。ただし2026年6月期は指数自体が下落し、分配込みの運用成績も小幅に指数を下回った。口数の増加だけでは基準価額の下落を相殺できていない。次は指数との差、アジア通貨、国別信用リスク、取引所価格と基準価額の乖離を点検する。
出典
- ABF汎アジア債券インデックス・ファンド「2026年6月期 決算短信」(2026年9月29日開示)
- ABF汎アジア債券インデックス・ファンド 年次報告書2026(対象期間:2025年7月1日~2026年6月30日)
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