決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 311.07億円 | 284.41億円 | +9.4% | 408.00億円 | 76.2% |
| 営業利益 | 70.16億円 | 66.47億円 | +5.6% | 85.00億円 | 82.5% |
| 経常利益 | 71.78億円 | 66.21億円 | +8.4% | 85.00億円 | 84.4% |
| 純利益 | 42.08億円 | 37.70億円 | +11.6% | 57.00億円 | 73.8% |
| EPS | 13.26円 | 11.82円 | +12.2% | 17.87円 | 74.2% |
売上高と各段階利益は第3四半期累計として過去最高となった。営業利益の進捗は高いが、レジャー事業の季節性があるため、単純な年率換算は避けたい。
セグメント
| セグメント | 売上高 | 前年同期 | 増減率 | セグメント利益 | 見方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 駐車場事業 | 142.21億円 | 132.43億円 | +7.4% | 36.13億円 | 国内新規契約物件が118物件純増し、有人の高付加価値サービスも伸びた。 |
| スキー場事業 | 99.77億円 | 91.59億円 | +8.9% | 27.19億円 | インバウンド来場者は543千人で過去最高。ただし利益は前年同期比4.5%減。 |
| テーマパーク事業 | 61.92億円 | 54.95億円 | +12.7% | 10.63億円 | 遊園地の集客、宿泊者数166千人、伊豆観光開発の取得が効いた。 |
| その他 | 8.02億円 | 7.04億円 | +14.0% | 1.27億円 | 教育、ヘルスケア、再生エネルギー事業などを含む。 |
セグメント数値にはセグメント間取引が含まれる。外部顧客への売上構成では、駐車場事業が45.6%、スキー場事業が32.1%、テーマパーク事業が19.8%、その他が2.5%だった。主力の駐車場が安定し、テーマパークが利益を伸ばす一方、スキー場は設備投資や運営コストの負担を市場が見やすい局面に入っている。
財務安全性
総資産は600.07億円、純資産は242.37億円、自己資本比率は32.6%だった。前期末の38.3%からは低下しており、現金及び預金、有形固定資産、投資有価証券の増加が総資産を押し上げた。30%台前半なら直ちに危険という水準ではないが、スキー場の設備投資が続く企業なので、営業利益だけでなく営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローのバランスを見たい。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +12.2% | 第3四半期累計の前年同期比 | 純利益の伸びは良いが、日本スキー場開発の土地売却による特別利益も含む。 |
| 営業利益率 | 22.6% | 売上高311.07億円、営業利益70.16億円 | 高い利益率を維持しているが、スキー場の減益は利益の質を見る材料。 |
| 自己資本比率 | 32.6% | 前期末38.3% | 財務の厚みは中位。投資拡大局面では低下方向に注意。 |
| PER推移 | 未反映 | 市場株価データ未取得 | 株価評価には、最新株価と会社予想EPS17.87円を合わせて確認する必要がある。 |
数字だけなら進捗は強い。ただ、純利益の伸びには特別利益が混じるため、市場が次に見るのは本業利益とキャッシュの再現性だろう。
ポジティブ要因
駐車場事業の利益が伸びた
駐車場事業は売上高142.21億円、営業利益36.13億円だった。国内の運営物件数は1,630物件、運営総台数は49,243台となり、月極駐車場紹介やバレーサービスなどの高付加価値サービスが支えた。
テーマパーク事業の利益率改善
テーマパーク事業は売上高61.92億円、営業利益10.63億円。営業利益は前年同期比30.8%増で、遊園地の販促、宿泊需要、伊豆観光開発の取得が重なった。
通期計画に対する利益進捗
通期予想は売上高408.00億円、営業利益85.00億円、純利益57.00億円で据え置き。第3四半期時点の営業利益進捗率は82.5%で、計画に対する余裕はある。
リスク要因
スキー場は増収減益
スキー場事業は売上高が過去最高となった一方、営業利益は27.19億円で前年同期比4.5%減だった。インバウンド需要が強い局面でも減益になった点は、投資負担やコスト増を確認する必要がある。
総資産拡大と自己資本比率低下
総資産は前期末から100.23億円増えた。スキー場事業の設備投資により有形固定資産が29.68億円増加しており、成長投資が利益とキャッシュにどう返ってくるかが次の論点になる。
純利益には一時要因が含まれる
親会社株主に帰属する四半期純利益は11.6%増だったが、連結子会社の日本スキー場開発で岩岳リゾート山麓の土地売却による特別利益が計上されている。本業の稼ぐ力とは分けて見たい。
業界動向との関連
駐車場事業は都心部の遊休スペース活用、マンション附置駐車場の収益改善、施設入口まわりの有人サービス需要が追い風になっている。レジャー側はインバウンドと国内観光需要の回復が支えているが、スキー場は雪不足対策や索道設備への投資が重く、売上の伸びがそのまま利益に残るとは限らない。
株価への示唆
会社予想EPSは17.87円。PERを使った株価評価を行うには最新株価と過去レンジの確認が必要だが、今回の決算だけを見ると「増収増益だから強気」とまでは言いにくい。営業利益進捗は良い一方、スキー場の減益、自己資本比率の低下、特別利益の寄与がある。株価が反応するには、通期着地で営業利益がどこまで上振れるか、設備投資後のキャッシュ回収が見えるかが条件になりそうだ。
今期の総括
2026年7月期第3四半期は、駐車場事業とテーマパーク事業が利益面で全体を支えた。レジャー需要は強いが、スキー場は売上過去最高でも減益となり、成長投資の重さも見えた決算である。
来期見通し
会社は2026年7月期通期について、売上高408.00億円、営業利益85.00億円、経常利益85.00億円、純利益57.00億円を見込む。配当予想は年間9.00円で、2025年7月期の8.00円から増配予想となっている。第4四半期では、通期計画の達成だけでなく、来期に向けた投資負担と還元余力の見え方が注目される。
総合判断
総合判断は中立である。営業利益の進捗率82.5%は評価でき、駐車場とテーマパークの事業進捗も悪くない。ただし、スキー場の増収減益、自己資本比率の低下、純利益に含まれる特別利益を考えると、ここからは業績の強さより質を見られる。市場がもう一段評価するには、営業キャッシュ・フローと通期着地の確認が必要だ。
出典
- 日本駐車場開発「2026年7月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、開示日: 2026年6月5日
- 日本駐車場開発「IRトピックス」「業績資料」、確認日: 2026年7月22日