決算サマリー
| 項目 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 12.05億円 | 比較なし |
| 営業利益 | 0.99億円 | 比較なし |
| 経常利益 | 0.89億円 | 開示資料参照 |
| 純利益 | 0.49億円 | 比較なし |
| EPS | 164.47円 | 開示資料参照 |
営業利益率は8.2%である。売上の伸びだけでなく、出店と採用を吸収した後の利益率を評価する必要がある。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS | 164.47円 | 決算短信 | 株式分割後ベース |
| ROIC | 開示なし | 投下資本内訳なし | 簡易推計は行わない |
| PER推移 | 算定保留 | PRO Market上場 | 十分な価格履歴と流動性が不足 |
PRO Market銘柄では売買が薄い場合があり、PERだけで評価を固定しにくい。店舗投資後の営業CFと自己資本比率を併せて見る必要がある。
ポジティブ要因
店舗網と来院需要
営業利益0.99億円、営業CF0.78億円を確保した。来院者数の回復と店舗網の拡大が売上を支え、自費施術・物販の拡充も客単価向上に寄与した。
自費施術と周辺収益
保険施術だけでなく、予防・機能維持を目的とする自費施術、セルフケア商品の物販を強化している。客単価と収益源の分散につながる施策である。
店舗運営等支援
療養費請求代行紹介と施術者の人材紹介は、院運営とは異なる収益源となる。規模は小さいが、業界内ネットワークを生かせる事業である。
リスク要因
出店と採用の先行負担
純資産は1.17億円、自己資本比率は11.6%にとどまる。新規出店は建物設備、敷金、採用費を先に要するため、計画未達時には資金負担が重くなる。
有資格者の確保
柔道整復師・鍼灸師の採用難は、出店速度と既存院の稼働率を制約する。採用単価や人件費が上がり、施術単価へ転嫁できない場合は利益率が低下する。
制度・請求リスク
保険施術は療養費制度や請求適正化の影響を受ける。自費施術比率を高めても、消費者の可処分所得が弱い局面では来院頻度と客単価が下振れし得る。
財務安全性
総資産10.06億円、純資産1.17億円、自己資本比率11.6%である。営業CFは0.78億円、現金及び現金同等物は2.82億円。出店投資と借入返済を続けるには、会計利益より営業CFの持続性が重要となる。
業界動向との関連
高齢化と健康意識の高まりは需要を支える一方、接骨院業界は小規模事業者が多く競争も激しい。チェーン運営では採用、教育、施術品質、立地選定を標準化できるかが差になる。店舗数の増加が既存院の管理負担や人材希薄化を招かないかも確認したい。
株価への示唆
業績が計画を上回る場合でも、TOKYO PRO MarketとFukuoka PRO Marketの流動性は価格形成を不安定にし得る。市場が持続的成長と評価するには、増収に加えて営業利益率と営業CFが同時に改善する局面が必要となる。
今期の総括
中間連結財務諸表の作成初年度で前年同期比較はない。営業利益率8.2%を確保した一方、自己資本比率11.6%と財務余力は薄く、出店投資と借入返済を営業キャッシュで賄えるかが中心論点となる。 店舗数の増加を成長とみなすだけでは足りない。既存院の採算、新店の立ち上がり、営業CFへの転換を追う必要がある。
来期見通し
2025年3月期は売上高22.58億円、営業利益0.79億円、純利益0.19億円を計画した。 通期計画は営業利益0.79億円と中間実績0.99億円を下回る。下期の出店費用や採用投資を織り込んだ計画であり、利益進捗だけで上振れを断定できない。 配当は直近開示で0円または未定であり、当面は内部留保と成長投資を優先する姿勢が続く。
総合判断
総合判断は中立である。店舗拡大と売上成長は確認できるが、出店・採用の先行負担、自己資本の厚み、営業CFには継続確認が要る。次回は店舗当たり売上、営業利益率、現金残高の三点が判断材料となる。
出典
- ヒューマンアジャスト「2025年3月期中間決算短信〔日本基準〕(連結)」(2024年11月14日)