キオクシアホールディングス(285A) 2026年3月期 第1四半期 売上収益 3,428億円 前年同期比 -20.0% 営業利益 449億円 前四半期比 +78億円 確認点 販売単価と為替 スマホ向け需要 利益は底上げ、需要回復の広がりを見極める局面

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率次四半期予想進捗率
売上収益3,427.99億円4,284.97億円-20.0%4,200~4,700億円該当なし
Non-GAAP営業利益452.14億円1,261.76億円-64.2%490~830億円該当なし
営業利益448.99億円1,258.59億円-64.3%480~820億円該当なし
親会社帰属四半期利益182.84億円697.58億円-73.8%160~400億円該当なし
基本的EPS33.90円134.80円-74.9%非開示該当なし

会社は年度計画ではなく、次の四半期をレンジ形式で予想しています。このため、通期計画に対する進捗率は算定していません。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
売上収益営業利益率13.1%前年同期29.4%市況調整で前年同期から低下しました。
親会社所有者帰属持分比率26.3%前期末25.3%1.0ポイント改善しました。
営業CF611億円前年同期951億円黒字を維持したものの、税引前利益の減少が響きました。
投資CF-341億円前年同期-310億円有形固定資産の取得負担が増えました。
現金同等物1,784億円前期末比+105億円手元流動性は前期末から増加しました。

ポジティブ要因

前四半期比では利益が改善

売上収益は前四半期比43億円減でしたが、営業利益は78億円増えました。平均販売単価の上昇と、前四半期に一括計上した固定資産税の反動が利益を支えています。

SSD・ストレージは底堅い

SSD & ストレージの売上収益は2,174億円で、前四半期比22億円増加しました。会社は次四半期もデータセンター・エンタープライズ向け需要が堅調に推移すると見込んでいます。

資本比率が改善

親会社所有者帰属持分比率は26.3%と、2025年3月末の25.3%から改善しました。利益水準は前年同期を下回るものの、資本の厚みはわずかに増しています。

リスク要因

スマートデバイス向けの減収

スマートデバイスの売上収益は790億円で、前年同期の1,519億円から大きく減りました。スマートフォン向け需要や顧客在庫の回復が遅れると、製品ミックスと稼働率の重荷になります。

為替と販売単価

平均為替レートは1ドル145円で、前年同期の156円から円高になりました。NANDの販売単価が上昇しても、円高が円換算売上と利益を押し下げる可能性があります。

リファイナンス費用

会社は2025年7月のリファイナンスに伴い、第2四半期の金融費用が約130億円増えると見込んでいました。営業利益の改善が、その一時負担を吸収できるかが確認点です。

財務安全性

2025年6月末の資産合計は2兆8,940億円、資本合計は7,603億円、親会社所有者帰属持分比率は26.3%です。営業CFは611億円、投資CFは341億円の支出、財務CFは173億円の支出でした。設備投資を営業CFで賄えている一方、メモリ市況が弱まる局面ではキャッシュ創出力も振れやすい点に注意が必要です。

業界動向との関連

キオクシアはメモリ事業の単一セグメントで、NAND価格と出荷量の変化が利益率に直結します。データセンター向けは堅調ですが、スマートフォンなど消費者向け需要の弱さと円高が相殺要因になっています。

株価への示唆

前年同期比の大幅減益だけでなく、前四半期比で営業利益が改善した点も分けて見る必要があります。短期的には次四半期レンジの達成度、中期的にはスマートデバイス向けの回復と販売単価の持続性が評価を左右します。

今期の総括

第1四半期は前年同期の高い利益水準から反落しましたが、前四半期比では採算が改善しました。SSD & ストレージの底堅さに対し、スマートデバイスと為替が業績の重荷となった決算です。

来期見通し

第2四半期単体の会社予想は、売上収益4,200~4,700億円、営業利益480~820億円、親会社帰属四半期利益160~400億円です。データセンター需要に加え、スマートデバイス顧客向け出荷の増加を前提としています。

総合判断

総合判断は中立です。前四半期比の利益改善と営業CFの黒字は前向きですが、前年同期比では収益性が大きく低下しています。次回は販売単価、スマートデバイス向け売上、営業利益率、リファイナンス後の金融費用を確認したいところです。

出典