キオクシアホールディングス(285A) 2026年3月期 中間決算 売上収益 7,911億円 前年同期比 -13.0% 営業利益 1,308億円 Q2単体 +410億円 確認点 NAND販売単価 設備投資負担 上期減益でも、四半期ベースでは需要回復が進む

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率第3四半期累計予想進捗率
売上収益7,911.45億円9,094.08億円-13.0%1兆2,911~1兆3,411億円該当なし
Non-GAAP営業利益1,323.77億円2,925.24億円-54.7%2,324~2,724億円該当なし
営業利益1,308.20億円2,918.91億円-55.2%2,298~2,698億円該当なし
親会社帰属中間利益589.46億円1,759.80億円-66.5%1,189~1,469億円該当なし
基本的EPS109.26円340.06円-67.9%非開示該当なし

会社は年度計画値ではなく、次の四半期までの累計レンジを開示しています。通期計画に対する進捗率は算定していません。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
売上収益営業利益率16.5%前年同期32.1%販売単価下落と円高で低下しました。
親会社所有者帰属持分比率27.5%前期末25.3%利益計上で2.2ポイント改善しました。
営業CF1,752億円前年同期2,419億円税引前利益の減少を受けて縮小しました。
投資CF-1,069億円前年同期-628億円有形固定資産取得の増加が響きました。
現金同等物2,355億円前期末比+676億円資金再構築後も手元流動性は増えました。

ポジティブ要因

第2四半期単体は増収増益

第2四半期単体の売上収益は4,483億円で前四半期比1,055億円増、営業利益は859億円で同410億円増でした。出荷量の増加が売上と利益を押し上げています。

スマートデバイス向けが回復

第2四半期単体のスマートデバイス売上は1,573億円となり、前四半期の790億円から783億円増えました。上期累計では前年同期を下回るものの、四半期ベースでは需要回復が鮮明です。

資本比率と現金が増加

親会社所有者帰属持分比率は27.5%へ改善し、現金及び現金同等物は2,355億円に増えました。優先株式の償還や借り換えを進めながら、手元資金を確保しています。

リスク要因

平均販売単価と為替

上期の減収は、出荷量が増えた一方で平均販売単価が下落し、円高も逆風になったことが主因です。需要が堅調でも、単価と為替が利益率を左右します。

設備投資負担の増加

投資CFの支出は1,069億円で、有形固定資産の取得は1,431億円に増えました。次世代NANDへの投資は競争力に必要ですが、市況悪化時にはフリーキャッシュ・フローを圧迫します。

資本負債構成の再構築

7月に既存借入金の返済、優先株式の償還、新規借入、米ドル建て社債発行を実施しました。一時費用に加え、今後の金利負担と財務規律を継続して見る必要があります。

財務安全性

2025年9月末の資産合計は2兆9,822億円、資本合計は8,193億円、親会社所有者帰属持分比率は27.5%です。営業CF1,752億円に対して投資CFは1,069億円の支出で、営業活動の範囲内で投資を賄いました。一方、メモリ製造は投資負担が大きいため、市況悪化時のキャッシュ耐性が重要です。

業界動向との関連

AI向けを中心とする設備投資はデータセンター用SSDの追い風です。一方、NANDは需給と価格の循環が強く、出荷量の増加が必ずしも増益につながりません。キオクシアでは販売単価と製品構成を四半期ごとに確認する必要があります。

株価への示唆

前年同期比では大幅減益ですが、第2四半期単体の回復は改善材料です。次の評価軸は、会社が見込む第3四半期の増収増益を実現できるか、そして設備投資後も営業CFを維持できるかです。

今期の総括

中間期は前年同期の高収益から反落しましたが、四半期ベースではスマートデバイスを中心に需要が戻りました。利益率はなお前年同期を下回っており、数量回復から単価上昇へつながるかが次の焦点です。

来期見通し

第3四半期累計の会社予想は、売上収益1兆2,911~1兆3,411億円、営業利益2,298~2,698億円、親会社帰属四半期利益1,189~1,469億円です。データセンターとスマートデバイス向けの堅調な需要を前提にしています。

総合判断

総合判断は中立です。第2四半期単体の回復、資本比率の改善、営業CFの黒字は評価できますが、上期の利益率低下と投資負担は残ります。次回はNAND販売単価、第3四半期単体の営業利益率、営業CF、借り換え後の金融費用を確認したいところです。

出典