決算サマリー
| 項目 | 2026年11月期中間実績 | 前年同期 | 増減率 | 通期会社予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 178.59億円 | 102.99億円 | +73.4% | 364.00億円 | 49.1% |
| EBITDA | 16.08億円 | 8.83億円 | +82.0% | 29.70億円 | 54.1% |
| 営業利益 | 8.13億円 | 6.76億円 | +20.2% | 13.40億円 | 60.7% |
| 経常利益 | 7.37億円 | 6.93億円 | +6.4% | 12.40億円 | 59.5% |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 3.66億円 | 6.10億円 | -40.0% | 5.00億円 | 73.2% |
| EPS | 33.82円 | 66.41円 | -49.1% | 54.47円 | 62.1% |
PISOLAの連結で売上規模は急拡大した。営業利益は増えたものの、支払利息や税負担が増え、純利益は4割減となったため、増収率だけでは利益の質を測れない決算である。
セグメント
| 報告セグメント | 外部顧客向け売上高 | 構成比 | セグメント利益・損失 | 前年同期の売上高 |
|---|---|---|---|---|
| 串カツ田中 | 99.64億円 | 55.8% | 14.05億円 | 83.47億円 |
| PISOLA | 63.46億円 | 35.5% | 0.96億円 | 比較対象なし |
| 国内その他 | 5.67億円 | 3.2% | -0.64億円 | 3.52億円 |
| ハウスミール事業 | 6.03億円 | 3.4% | 0.29億円 | 6.12億円 |
| 内装工事事業 | 3.80億円 | 2.1% | 0.25億円 | 9.88億円 |
串カツ田中は既存店売上高が前年同期比114.6%となり、セグメント利益も29.0%増えた。PISOLAは63.46億円の売上に対して利益が0.96億円だが、のれん償却前では3.91億円である。国内その他は増収でも損失が0.64億円へ広がった。セグメント利益合計14.91億円から全社費用・内部取引消去など6.77億円が差し引かれ、連結営業利益は8.13億円となる。
財務安全性
総資産は253.44億円、純資産は73.92億円、自己資本比率は前期末の42.3%から29.1%へ低下した。PISOLA取得でのれんが85.60億円、長期借入金が100.22億円へ増えた影響が大きい。流動比率は103.6%で余裕は厚くない。営業CFは10.97億円の黒字だが、子会社株式取得を含む投資CFは95.19億円の赤字、財務CFは88.30億円の黒字であり、買収資金を借入と増資で賄った構図である。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -49.1% | 前年同期比 | 株式数増加と純利益減少が重なった |
| ROIC | 開示なし | 算定保留 | PISOLA取得後の投下資本内訳が確定していない |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 比較未実施 | 本記事では理論株価を算定しない |
| 営業利益率 | 4.6% | 前年同期6.6% | PISOLA連結後は売上拡大に対して利益率が低下 |
営業利益は伸びたが、利益率とEPSは低下した。買収後の資本効率を測るには、PISOLAののれん償却後利益と借入コストを通期で確認する必要がある。
ポジティブ要因
通期利益予想を上方修正
通期営業利益予想は10.00億円から13.40億円へ34.0%、経常利益は9.60億円から12.40億円へ29.1%、純利益は4.20億円から5.00億円へ19.0%引き上げられた。
串カツ田中の既存店が伸長
店舗QSCの改善と「無限串」シリーズの集客効果により、国内直営既存店売上高は前年同期比114.6%。キャンペーン依存を抑えた収益構造への移行が進んだと会社は説明している。
営業キャッシュ・フローは増加
営業CFは前年同期の7.20億円から10.97億円へ増えた。税引前利益に加え、減価償却費5.00億円とのれん償却額2.95億円が資金増加要因となった。
リスク要因
PISOLA買収で財務負担が増加
子会社株式の取得支出は84.17億円、長期借入金は前期末比88.20億円増えた。金利負担を含め、買収後の営業利益が財務コストを上回って積み上がるかが問われる。
のれん償却期間変更の影響
PISOLAののれん償却期間を期初想定の10年から15年へ変更したことが利益を押し上げた。中間期ののれん償却額は2.95億円であり、会計上の利益改善と事業の採算改善を分けて読む必要がある。
下期の出店費用が先行
会社は下期にPISOLA直営店の出店を増やす計画で、当期中の売上寄与が限定的な一方、初期費用が先行するとしている。国内その他も0.64億円の損失であり、新業態の拡大が全社利益を圧迫する余地がある。
業界動向との関連
外食市場はインバウンド需要と少人数利用が支えとなる一方、原材料、物流、人件費の上昇が続く。ユニシアHDは串カツ田中の都市型需要とPISOLAの郊外需要を併せ持つ体制へ移った。顧客層の分散は進むが、複数業態の出店管理とコスト統制は従来より難しくなる。
株価への示唆
通期予想の上方修正は利益水準の引き上げという明確な材料である。ただし、営業利益率は前年同期の6.6%から4.6%へ低下し、自己資本比率も29.1%まで下がった。株価の評価が持続する条件は、下期の出店費用を吸収しつつ13.40億円の営業利益計画を達成し、営業CFで借入負担を縮小できることだ。市場データを本記事に反映していないため、PERレンジや理論株価の試算は行わない。
今期の総括
売上拡大の中心はPISOLAの新規連結で、既存の串カツ田中も増収増益だった。中間実績は営業利益で期初予想を80.7%上回り、通期予想の上方修正につながった。反面、純利益は税負担の増加で減益となり、買収後の財務余力も縮小している。数字は強いが、内容は単純な好決算ではない。
来期見通し
2026年11月期は売上高364.00億円、EBITDA29.70億円、営業利益13.40億円、経常利益12.40億円、純利益5.00億円を見込む。売上予想の修正幅は0.7%にとどまる一方、営業利益は34.0%引き上げられた。食材調達と物流の効率化、のれん償却期間の変更が前提に含まれ、下期のPISOLA出店費用が上振れれば利益計画の余裕は縮む。
総合判断
総合判断は中立である。串カツ田中の既存店成長と通期利益予想の上方修正は評価材料だが、営業利益率は低下し、PISOLA買収後ののれんと借入が大きい。次回決算では、PISOLAの償却後利益、全社調整費用、営業CF、自己資本比率が同時に改善するかを見たい。
出典
- ユニシアホールディングス「2026年11月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年7月15日
- ユニシアホールディングス「2026年11月期第2四半期(累計)の連結業績予想と実績との差異及び2026年11月期の連結業績予想の修正に関するお知らせ」、2026年7月15日
- ユニシアホールディングス 決算短信