決算サマリー
| 項目 | 2024年3月期 | 2023年3月期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 122.02億円 | 123.06億円 | -0.8% |
| 営業利益 | 2.08億円 | 開示なし | -36.3% |
| 経常利益 | 2.07億円 | 3.10億円 | -33.1% |
| 当期純利益 | △1.91億円 | 2.12億円 | 赤字転落 |
| EPS | △191.99円 | 212.66円 | 赤字転落 |
営業利益の前年実額は発行者情報の主要経営指標表に掲載されていないが、会社開示の増減率は36.3%減である。純損失には役員退職金5.00億円と固定資産売却・除却損0.01億円が含まれる。
セグメント
同社は人材サービス事業の単一セグメントである。2024年3月期のサービス別売上は、派遣サービス120.83億円、紹介手数料1.10億円、その他収益0.09億円。派遣サービスが全社売上の99.0%を占める。サービス別営業利益と前年のサービス別売上は開示されていない。
財務安全性
総資産は25.82億円、純資産は4.39億円、自己資本比率は17.0%で、前期の26.8%から9.8ポイント低下した。営業CFは△1.86億円、投資CFは△0.04億円、財務CFは3.73億円。営業CFの赤字を借入れなどの財務CFで補い、現金同等物は8.55億円となった。利益よりキャッシュの弱さが重い。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 赤字転落 | 212.66円から△191.99円 | 役員退職金の影響大 |
| ROE | △35.9% | 前期30.4% | 純損失でマイナス |
| ROIC | 開示なし | - | 投下資本の公式開示なし |
| PER推移 | 算定不可 | 上場前 | 赤字かつ市場株価なし |
売上高営業利益率は1.7%で、本業は黒字を維持した。ただし経常利益は1.03億円減り、営業CFも赤字である。
ポジティブ要因
本業の黒字維持
最終赤字でも営業利益2.08億円、経常利益2.07億円は確保した。役員退職金を除けば、事業そのものが赤字だったわけではない。
現金残高の確保
現金同等物は8.55億円となった。財務CF3.73億円の調達によって、営業CFと投資CFの支出を補った。
派遣売上の規模
派遣サービス売上は120.83億円で、全社売上の99.0%を占める。製造業向け派遣の大きな稼働基盤は維持された。
リスク要因
本業利益の減速
役員退職金は一時要因だが、営業利益も36.3%減、経常利益も33.1%減った。最終赤字だけを特殊要因として除外すると、本業悪化を見落とす。
営業キャッシュ・フロー赤字
営業CFは△1.86億円だった。利益が黒字でも現金が出ており、売上債権や未払費用など運転資金の動きを確認する必要がある。
自己資本比率17.0%
純損失で純資産は6.31億円から4.39億円へ減少した。財務CFへの依存もあり、損失が続く場合の耐久力は高くない。
業界動向との関連
人材派遣は人手不足の恩恵を受ける反面、顧客の生産調整や直接採用への切り替えで稼働が落ちる。採用競争が強まると募集費や賃金も上がるため、売上規模を維持しても営業利益率が低下することがある。
株価への示唆
2024年3月期は非上場で、PERや株価推移は存在しない。後年の上場後評価にとっては、営業利益率1.7%、営業CF赤字、自己資本比率17.0%が弱い基準点となる。翌期に営業CFと純資産を戻せるかが、単なる一時損失からの反動以上に大切である。
今期の総括
2024年3月期は売上・営業利益・経常利益がそろって減少し、役員退職金5.00億円で最終赤字となった。営業CFも赤字で、利益、キャッシュ、財務の三面で後退した年度である。
来期見通し
同じ発行者情報で確認できる2025年3月期は、売上高120.91億円、営業利益1.91億円と減収減益が続く一方、当期純利益2.15億円へ黒字転換した。営業CFも1.50億円の黒字となり、自己資本比率は26.8%へ回復している。
総合判断
総合判断は弱気である。役員退職金による赤字転落だけでなく、営業利益36.3%減、営業CF△1.86億円、自己資本比率17.0%が重なる。翌期のキャッシュ回復を確認するまで、業績の質は弱い。
出典
- 株式会社ジェイウェイブ「発行者情報(東京証券取引所)」(2025年9月18日、2024年3月期財務諸表)
- 株式会社ジェイウェイブ IR情報