決算サマリー
| 項目 | 2025年3月期 | 2024年3月期 | 増減率 | 2026年3月期当初計画 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 120.91億円 | 122.02億円 | -0.9% | 125.05億円 |
| 営業利益 | 1.91億円 | 2.08億円 | -8.2% | 1.40億円 |
| 経常利益 | 1.89億円 | 2.07億円 | -9.0% | 1.37億円 |
| 当期純利益 | 2.15億円 | △1.91億円 | 黒字転換 | 0.90億円 |
| EPS | 215.56円 | △191.99円 | 黒字転換 | 90.36円 |
売上高と営業利益は減少した。純利益の黒字転換は、前期の役員退職金5.00億円がなくなり、当期に寄付金収入1.00億円が計上された影響が大きい。
セグメント
同社は人材サービス事業の単一セグメントである。発行者情報の収益分解では、派遣サービスが売上の大半を占める。
| サービス区分 | 2025年3月期 | 前期 | 増減率 | 売上構成比 |
|---|---|---|---|---|
| 派遣サービス | 119.54億円 | 120.83億円 | -1.1% | 98.9% |
| 紹介手数料 | 1.24億円 | 1.10億円 | +12.6% | 1.0% |
| その他収益 | 0.13億円 | 0.09億円 | +45.0% | 0.1% |
サービス別利益は開示されていない。主力の派遣サービスでは、大手顧客の需要減と派遣先による直接雇用化が響き、紹介手数料の増加では全体の減収を埋められなかった。
財務安全性
総資産は24.44億円、純資産は6.54億円、自己資本比率は26.8%で、前期の17.0%から9.8ポイント改善した。営業CFは前期の△1.86億円から1.50億円へ黒字化し、投資CFは△0.01億円、財務CFは△1.37億円。現金同等物は8.66億円を確保したが、自己資本比率はまだ厚いとは言いにくい。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 黒字転換 | △191.99円から215.56円 | 特別損益の反動を含む |
| ROE | 39.4% | 前期△35.9% | 寄付金収入を含み持続性に注意 |
| ROIC | 開示なし | - | 投下資本の公式開示なし |
| PER推移 | 算定不可 | 上場前 | 市場価格の履歴なし |
営業利益率は1.7%から1.6%へ低下した。純利益だけを見ると急回復だが、本業の採算は弱含みである。
ポジティブ要因
キャッシュ・フローの回復
税引前利益と売上債権の減少により、営業CFは1.50億円のプラスへ転じた。現金同等物も前期末から0.11億円増えた。
財務体質の改善
当期純利益の計上で純資産は4.39億円から6.54億円へ増加し、自己資本比率は26.8%まで戻った。
紹介手数料の伸長
紹介手数料売上は1.24億円と12.6%増えた。規模は小さいものの、派遣以外の収益源が伸びた点は確認できる。
リスク要因
派遣需要と直接雇用化
製造業の生産調整や派遣先での直接雇用化は、稼働人数と契約件数を同時に押し下げる。売上の約99%を派遣サービスが占め、影響が全社へ直結しやすい。
薄い営業利益率
営業利益率は1.6%にとどまる。採用費、人件費、新規事業への投資が少し上振れるだけでも、利益の変動幅が大きくなりやすい。
純利益の質
当期純利益2.15億円には寄付金収入1.00億円が含まれる。翌期に同じ利益が繰り返される前提は置けない。
業界動向との関連
製造現場では人手不足が続く一方、顧客企業の生産調整や採用方針の変更で派遣需要は動く。ジェイウェイブは大手製造業向けの稼働を主力とするため、人材不足という追い風と、直接雇用化・採用競争という逆風を同時に受ける。
株価への示唆
2025年3月期は上場前で、市場株価に基づくPER推移はない。評価材料は、純利益の黒字転換よりも営業利益率1.6%と営業CFの黒字化である。2026年3月期計画では新規事業や上場関連費用を織り込み、営業利益1.40億円を見込んでいた。派遣契約数が増え、先行費用を吸収できるかが評価を分ける。
今期の総括
2025年3月期は減収減益だったが、営業CFと自己資本比率は改善した。純利益の黒字転換には特別利益が寄与しており、営業利益率が低下した事実の方が本業を見るうえでは重い。
来期見通し
2026年3月期の当初計画は、売上高125.05億円、営業利益1.40億円、経常利益1.37億円、当期純利益0.90億円。増収を見込む一方、日本語学校など将来の人材供給基盤への投資と上場関連費用で減益を想定していた。売上総利益の増加が販管費の伸びを超えられるかがポイントである。
総合判断
総合判断は中立である。営業CFの黒字化と自己資本比率の改善は前進だが、派遣サービスの減収と営業利益率1.6%は軽視できない。次期は契約件数の回復が、利益とキャッシュの両方へつながるかを確認したい。
出典
- 株式会社ジェイウェイブ「東京証券取引所 TOKYO PRO Market及び福岡証券取引所 Fukuoka PRO Market上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」(2025年10月23日)
- 株式会社ジェイウェイブ「発行者情報(東京証券取引所)」(2025年9月18日)
- 株式会社ジェイウェイブ IR情報