決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 47.13億円 | 42.38億円 | +11.2% | 190億円 | 24.8% |
| 営業利益 | 14.10億円 | 11.99億円 | +17.6% | 58.80億円 | 24.0% |
| 税引前利益 | 13.72億円 | 11.60億円 | +18.3% | 57.60億円 | 23.8% |
| 親会社所有者帰属利益 | 10.07億円 | 8.33億円 | +20.9% | 42.16億円 | 23.9% |
| EPS | 32.49円 | 26.72円 | +21.6% | 137.34円 | 23.7% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +21.6% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、親会社所有者帰属利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は29.9%、調整後EBITDAは17.35億円(前年同期比14.0%増)である。営業利益だけでなく、一過性の上場関連費用を調整した指標でも二桁増益となっており、前年同期の特殊要因に依存しない伸びを確認できる。
ポジティブ要因
営業利益の変化
帳票・文書管理ソリューションは29.21億円(前年同期比6.9%増)。主力SVFが4.5%増、ペーパーレス需要を受けたSPAが67.8%増となり、基幹帳票と電子文書の双方が増収となった。
売上規模の確認
データエンパワーメントソリューションは17.91億円(前年同期比19.1%増)。MotionBoardは21.5%増、導入支援などその他売上は49.0%増となり、前年のコロナ影響から回復した。
財務基盤
営業費用はDX関連開発の外注費と採用に伴う人件費で8.7%増えたが、売上収益の11.2%増を下回った。費用増を吸収して営業利益率を前年同期の28.3%から29.9%へ引き上げた点はプラスである。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
通期計画は売上収益190億円、営業利益58.80億円。第1四半期の進捗率は売上24.8%、営業利益24.0%で、おおむね期間進行並みである。採用と開発投資を続けながら利益率31.0%の計画へ届くかが課題となる。
市場評価の変動可能性
四半期短信ではキャッシュ・フロー計算書が開示されていない。総資産565.21億円に対して、前期末時点で大きかったのれん・無形資産や借入金の推移は中間期のキャッシュ開示で確認する必要がある。
財務安全性
財務安全性では、総資産565.21億円、純資産261.76億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率46.3%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
業界動向との関連
企業のDX投資再開とクラウド移行が追い風となった。ウイングアーク1stではSVFのクラウド売上が前年同期比約5割増、SPAとMotionBoardも伸びており、オンプレミス製品の顧客基盤をクラウド継続収益へ移せるかが競争力を左右する。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
売上収益47.13億円、営業利益14.10億円と二桁増収増益で、調整後EBITDAも14.0%増えた。SPA、MotionBoard、導入支援の伸びが目立つ。費用面では人件費とDX開発外注費が増えており、成長投資を続けても30%前後の営業利益率を維持できるかが次の論点となる。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上収益190億円、営業利益58.80億円、税引前利益57.60億円、親会社所有者帰属利益42.16億円、EPS137.34円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。全ソリューションが増収となり、調整後EBITDAも二桁成長した点は堅い。ただし、通期営業利益の進捗率は24.0%で上振れを示す段階ではない。中間期はクラウド売上、営業利益率、営業CFを同じ方向で確認したい。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2022年2月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」、ウイングアーク1st、開示日: 2021-07-13