決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 96.52億円 | 87.76億円 | +10% | 190億円 | 50.8% |
| 営業利益 | 29.23億円 | 16.77億円 | +74.3% | 58.80億円 | 49.7% |
| 税引前利益 | 28.81億円 | 16.64億円 | +73.1% | 57.60億円 | 50.0% |
| 親会社所有者帰属利益 | 21.26億円 | 11.96億円 | +77.7% | 42.16億円 | 50.4% |
| EPS | 66.47円 | 38.56円 | +72.4% | 137.34円 | 48.4% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +72.4% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、親会社所有者帰属利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は30.3%まで上昇した。EBITDAは35.53億円(前年同期比54.9%増)だが、本社縮小費用などを調整したEBITDAは35.74億円(同13.1%増)。利益の実力を見る際は後者が比較軸となる。
ポジティブ要因
営業利益の変化
帳票・文書管理ソリューションは60.96億円(前年同期比8.5%増)。SVFは5.0%増、SPAは電子帳簿保存法対応とペーパーレス需要で106.5%増となった。
売上規模の確認
データエンパワーメントソリューションは35.55億円(前年同期比12.6%増)。MotionBoardは8.1%増、導入支援などその他売上は前年のコロナ影響からの反動で50.2%増えた。
財務基盤
営業CFは30.15億円と前年同期の25.59億円から増加した。契約負債が前期末比5.88億円増えており、保守・クラウドなど前受型収益の積み上がりもキャッシュを支えた。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業利益74.3%増には、前年同期に計上した本社縮小費用8.52億円がなくなった反動が大きい。調整後EBITDAの伸びは13.1%で、売上収益10.0%増と近い。増益率の見栄えだけで判断すると収益改善を過大評価しやすい。
販売数量・コスト前提の変動
通期計画に対する進捗率は売上収益50.8%、営業利益49.7%。ほぼ期間進行どおりだが、人件費とDX開発外注費は増えている。下期もクラウド・保守の伸びで費用増を吸収できるかが計画達成を左右する。
市場評価の変動可能性
総資産578.38億円に対し、のれん272.27億円とその他無形資産168.00億円が大きい。長期借入金は返済で9.86億円減ったものの、継続収益の鈍化は資産価値と返済余力の双方に影響する。
財務安全性
財務安全性では、総資産578.38億円、資本286.21億円、親会社所有者帰属持分比率49.5%を確認する。営業CFは30.15億円、投資CFは1.86億円の支出、財務CFは3.59億円の支出で、現金及び現金同等物は76.44億円まで増加した。
業界動向との関連
DX投資の再開とクラウド市場の拡大が追い風となった。特にSPAは電子帳簿保存法対応で倍増した。法対応需要の一巡後も、SVF・MotionBoard・クラウド保守を含むリカーリング収益へ顧客をつなげられるかが中期的な競争力となる。
株価への示唆
営業利益は大幅増だが、一過性費用の反動を除く調整後EBITDAは13.1%増である。市場データを併用していないため理論株価は算定しない。評価を維持するには、30%前後の営業利益率とクラウド売上の二桁成長が下期も続くことが条件となる。
今期の総括
売上収益は10.0%増え、両ソリューションがそろって増収となった。営業利益74.3%増には前年の本社縮小費用の反動が含まれ、調整後EBITDAは13.1%増である。営業CF30.15億円、期末現金76.44億円とキャッシュ面も改善した。
来期見通し
通期会社計画は売上収益190億円、営業利益58.80億円、税引前利益57.60億円、親会社所有者帰属利益42.16億円、EPS137.34円で据え置かれた。上期進捗はほぼ50%であり、下期は人件費・開発費の増加をリカーリング収益で吸収できるかを確認する局面である。
総合判断
総合判断は中立。売上収益、調整後EBITDA、営業CFがそろって増え、通期計画も半分前後まで進んだ。一方、営業利益の大幅増は前年の一過性費用の反動を含む。下期はSPAの高成長持続と、人件費・開発費を吸収した利益率の維持が確認点となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2022年2月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」、ウイングアーク1st、開示日: 2021-10-12