決算サマリー

項目2025年10月期前期増減率2026年10月期予想増減率
売上高28.05億円24.05億円+16.6%33.66億円+20.0%
営業利益8.98億円8.31億円+8.1%7.85億円-12.7%
経常利益9.07億円8.29億円+9.4%7.96億円-12.3%
当期純利益6.25億円6.00億円+4.0%5.31億円-15.1%
EPS61.59円57.77円+6.6%52.58円-14.6%

2025年10月期は増収増益。2026年10月期は売上20.0%増を見込む一方、営業利益は12.7%減の計画となった。

セグメント別の見方

セグメント売上高増減率セグメント利益増減率利益率
セキュリティ事業19.05億円+3.3%13.37億円-0.1%70.2%
ソリューション事業8.99億円+60.1%1.51億円+103.8%16.8%
全社費用---5.90億円+1.4%-

セキュリティ事業は高採算だが、成長率はかなり落ち着いている。利益もほぼ横ばい。すでに強い土台だが、ここから急に伸びる事業ではない。

ソリューション事業は売上60.1%増、利益103.8%増。トビラフォン Cloud、トビラフォン Biz の拡販が効いている。ただし利益率は16.8%で、セキュリティ事業ほどの収益性はまだない。

ポジティブ要因

通期で増収増益

売上高は16.6%増、営業利益は8.1%増。主力事業の安定性を維持しながら、ソリューション事業を伸ばした点は評価できる。

営業CFが強い

営業キャッシュ・フローは17.52億円のプラス。契約負債の増加もあり、会計利益以上に資金流入が出ている。

中期計画の成長余地は残る

会社は2028年10月期に売上高60億円、営業利益17億円を目標に掲げている。2025年10月期の売上28.05億円から見ると、まだ距離はあるが、ソリューション事業の伸びはそのための材料になる。

リスク要因

次期は営業減益予想

2026年10月期予想は、売上高33.66億円に対して営業利益7.85億円。売上は伸びるが、営業利益は減る。投資先行局面として理解できる一方、株式市場は利益率低下に敏感だ。

セキュリティ事業の成長は低い

セキュリティ事業は利益の柱だが、売上成長率は3.3%、セグメント利益は0.1%減。安定はしているが、成長株としての説明はソリューション側に移っている。

投資CFはマイナス

投資キャッシュ・フローは13.83億円のマイナス。主因には定期預金の預入12.01億円が含まれるため、事業投資だけで悪化したわけではない。ただ、フリーCFを見るときは内訳を分けて考えたい。

財務安全性

期末の総資産は53.81億円、純資産は25.95億円、自己資本比率は48.2%。前期末の56.0%からは低下したが、財務の安全性が急に揺らいだ印象は薄い。

営業CFは17.52億円のプラス、投資CFは13.83億円のマイナス、財務CFは5.49億円のマイナス。現金及び現金同等物は前期末比1.80億円減少した。

業界動向との関連

特殊詐欺、フィッシング詐欺、迷惑SMS対策は、社会的な必要性が高い領域だ。法人向けでは、電話対応のDX、通話記録、カスハラ対策の需要も広がっている。

ただ、社会課題としての需要が強いことと、企業の営業利益率が上がることは別問題。2026年10月期は、売上成長より利益率の低下が市場の論点になりやすい。

株価への示唆

2025年10月期の着地は良い。問題は、次期予想だ。増収なのに営業減益という計画は、市場にとって「成長投資なのか、利益率低下なのか」を見極める材料になる。

ソリューション事業の成長が続き、全社費用を吸収できるなら評価は戻りやすい。逆に、売上だけ伸びて利益率が戻らないと、テーマ株としての期待は冷えやすい。

総合判断

総合判断は中立である。2025年10月期は堅調。ただし、2026年10月期は売上成長と営業減益が同時に出る計画で、ここからは「成長の質」を見られる局面になる。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2025年10月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」、トビラシステムズ、開示日: 2025-12-10
  • トビラシステムズ IR情報: https://tobila.com/ir/