決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 38.03億円 | 非開示 | 非開示 | 100億円 | 該当なし |
| 営業利益 | -8.33億円 | 非開示 | 非開示 | 3億円 | 該当なし |
| 経常利益 | 11.66億円 | 非開示 | 非開示 | 20億円 | 該当なし |
| 純利益 | 11.52億円 | 非開示 | 非開示 | 19億円 | 該当なし |
| EPS | 23.24円 | 非開示 | 非開示 | 34.01円 | 該当なし |
通期決算では会社計画欄に次期予想を置いているため、進捗率は該当なしとしています。前年比などが非開示の場合は、決算短信側で前年実績または増減率が示されていないことを意味します。
セグメント
人工衛星の開発・製造と衛星データ提供を中心とする単一事業で、セグメント別の損益は開示されていません。全社売上高は38.03億円、営業損失は8.33億円です。運用衛星が9機へ増えた一方、衛星の製造・打ち上げに伴う先行費用を商用売上で吸収できるかが事業採算の中心論点です。
財務安全性
総資産424.63億円、純資産316.80億円、自己資本比率74.6%、現金及び現金同等物82.48億円です。訂正後は流動負債57.06億円、固定負債50.75億円となり、長期借入金のうち12.50億円が1年内返済予定へ振り替えられました。負債合計107.82億円は変わりませんが、短期の返済負担は訂正前の表示より重くなります。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 非開示 | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 4.9% | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は-21.9%、総資産経常利益率は3.5%です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
売上拡大と営業黒字化計画
2027年5月期は売上高100億円、営業利益3億円を計画しています。前期の営業損失8.33億円から黒字へ転じるには、衛星データ販売の拡大と固定費吸収を同時に進める必要があります。
運用衛星の増加
期末の運用衛星は9機となり、コンステレーション構築は進みました。観測頻度の向上を商用案件の受注と継続収入へつなげ、衛星の製造・打ち上げ費用を吸収できるかが次の焦点です。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業CFは5.26億円の支出、投資CFは194.97億円の支出です。定期預金預入130億円と有形固定資産取得95.10億円が投資CFを押し下げ、財務CF164.38億円の流入で資金を補う構図です。
衛星配備と商用化の実行リスク
2027年5月期計画は売上高100億円、営業利益3億円です。衛星の製造・打ち上げ遅延、観測データの商用販売時期、案件検収のずれが重なる場合、売上の2.6倍化と営業黒字化の双方が下振れる可能性があります。
継続企業に関する不確実性
会社は、大規模な先行投資と営業損失を背景に、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象または状況があると明記しています。資金調達、補助金、商用販売の進捗が重い確認項目です。
業界動向との関連
小型SAR衛星は天候や昼夜に左右されにくい観測が強みですが、衛星コンステレーションの構築には先行資金が必要です。QPSホールディングスでは運用機数の増加だけでなく、観測頻度の向上が継続的なデータ販売へ結び付くかを確認する必要があります。
株価への示唆
会計利益が見えていても、営業CFが弱い場合は市場の評価は伸びにくいです。利益よりキャッシュを確認する局面で、資金繰りや運転資金の重さが残れば上値は重くなります。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は営業損失8.33億円に対し、補助金収入17.28億円と共同研究収入7.12億円を含む営業外収益25.08億円により、経常利益11.66億円を確保しました。純黒字でも本業は赤字です。次期は衛星データの商用販売が固定費を吸収できるかが中心課題です。
来期見通し
2027年5月期は売上高100億円、営業利益3億円、経常利益20億円、純利益19億円、EPS34.01円を計画しています。売上高は2.6倍、営業損益は黒字化を見込む積極的な前提です。衛星配備と商用販売の進捗、補助金依存を除いた営業利益、資金調達後のキャッシュ残高を四半期ごとに確認する必要があります。
総合判断
総合判断は弱気。自己資本比率74.6%でも、営業損失8.33億円、営業CF5.26億円の支出、投資CF194.97億円の支出という資金消費は重いです。補助金等による経常黒字ではなく、商用売上で営業黒字とキャッシュ創出を示せるかが評価改善の条件です。
訂正開示の反映
QPSホールディングスは2026年8月4日、2026年5月期決算短信の連結貸借対照表を訂正しました。この記事は訂正後の内容を反映しています。
訂正対象は借入金の返済期限による流動・固定区分です。負債合計、純資産、損益、業績予想には変更ありません。
| 項目 | 訂正前 | 訂正後 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 流動負債 | 44.56億円 | 57.06億円 | 12.50億円増加 |
| 1年内返済予定の長期借入金 | 記載なし | 12.50億円 | 流動負債へ区分 |
| 固定負債 | 63.25億円 | 50.75億円 | 12.50億円減少 |
| 長期借入金 | 63.00億円 | 50.50億円 | 12.50億円減少 |
| 負債合計 | 107.82億円 | 107.82億円 | 変更なし |
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年5月期決算短信〔日本基準〕(連結)」、QPSホールディングス、開示日: 2026-07-14
- 「(訂正・数値データ訂正)「2026年5月期決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について」、QPSホールディングス、開示日: 2026-08-04