決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 366.98億円 | 324.31億円 | +13.2% | 1487億円 | 24.7% |
| 営業利益 | 248.60億円 | 214.79億円 | +15.7% | 980億円 | 25.4% |
| 経常利益 | 320.49億円 | 272.38億円 | +17.7% | 1145億円 | 28.0% |
| 純利益 | 226.97億円 | 195.12億円 | +16.3% | 820億円 | 27.7% |
| EPS | 53.01円 | 44.36円 | +19.5% | 189.23円 | 28.0% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
同社はシステムインテグレーション、システムサポート、オフィスオートメーションの3事業を報告セグメントとしています。補足資料の売上実績では、システムインテグレーション事業が151.45億円(構成比41.3%、前年同期比11.8%増)、システムサポート事業が195.89億円(構成比53.4%、前年同期比15.5%増)、オフィスオートメーション事業が19.64億円(構成比5.3%、前年同期比2.2%増)でした。最大の売上構成はシステムサポート事業で、クラウドソリューションを中心とする運用支援・保守サービスの積み上がりが、全体の安定成長を支えています。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +19.5% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は67.7%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は248.60億円、前年比は+15.7%です。増益そのものより、営業利益率67.7%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は366.98億円、前年比は+13.2%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は84.4%、純資産は4927.72億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。システム構築案件の検収、保守・クラウド契約の積み上がり、投資有価証券や税金支払の増減が利益とキャッシュの見え方を左右します。
システム投資と採算前提の変動
次期または通期予想は売上高1487億円、営業利益980億円です。会社予想を見る際は、大手・中堅企業のシステム更新投資、クラウド運用支援の伸び、人件費やデータセンター関連投資が営業利益率にどう出るかを確認します。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。システムサポートの伸び、SI案件の採算、営業CFの改善が同じ方向にそろうと、評価は持続しやすくなります。
財務安全性
財務安全性では、総資産5839.73億円、純資産4927.72億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率84.4%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高366.98億円(+13.2%)、営業利益248.60億円(+15.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益226.97億円(+16.3%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高1487億円、営業利益980億円、経常利益1145億円、純利益820億円、EPS189.23円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高366.98億円、営業利益248.60億円、純利益226.97億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、オービック、開示日: 2026-07-22