決算サマリー
| 項目 | 2025年3月期 | 2024年3月期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 262.57億円 | 76.96億円 | +241.2% |
| 営業利益 | 20.17億円 | 6.83億円 | +195.1% |
| 経常利益 | 15.32億円 | 5.18億円 | +195.8% |
| 当期純利益 | 10.97億円 | 3.66億円 | +199.1% |
| EPS | 1,097.48円 | 366.96円 | 該当なし |
営業利益は20億円台に乗った。売上規模の拡大がそのまま利益拡大につながった点はポジティブである。
ただし、営業利益率は約7.7%。売上が大きく伸びたわりに、利益率が飛び抜けて高いわけではない。不動産の仕入れ、改修、販売に伴う原価と資金負担を抱える事業であることは意識しておきたい。
財務状態
| 項目 | 2025年3月期 | 2024年3月期 |
|---|---|---|
| 総資産 | 166.99億円 | 81.91億円 |
| 純資産 | 17.94億円 | 7.96億円 |
| 自己資本比率 | 10.7% | 9.7% |
| ROE | 84.7% | 59.8% |
| 1株当たり純資産 | 1,794.11円 | 796.63円 |
純資産は増えているが、総資産の拡大も速い。自己資本比率は10.7%で、資本の厚さという点ではまだ薄い。
ROE84.7%は非常に高く見える。ただし、これは純資産がまだ小さい状態で利益が大きく出ているためでもある。資本効率が高いと同時に、レバレッジの効いた不動産会社として読む方が自然だ。
キャッシュ・フロー
| 項目 | 2025年3月期 | 2024年3月期 |
|---|---|---|
| 営業キャッシュ・フロー | -57.33億円 | -23.40億円 |
| 投資キャッシュ・フロー | -6.11億円 | -3.07億円 |
| 財務キャッシュ・フロー | +66.51億円 | +27.69億円 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 7.73億円 | 4.66億円 |
ここが一番大事だ。
会計上は大幅増収増益だが、営業CFは-57.33億円である。発行者情報では、営業CFの支出は主に税引前当期純利益がある一方で、棚卸資産の増加による支出が大きかったことによるものと説明されている。
つまり、利益は出ているが、物件仕入れに資金が出ている。成長のための先行投資とも読めるが、販売が遅れれば資金負担になる。
財務CFは+66.51億円。借入などで成長資金を調達している姿が見える。良い悪いではなく、この銘柄を見るなら資金調達力が業績と同じくらい重要になる。
事業の見方
同社は不動産買取再生事業の単一セグメントである。京阪神地域と関東首都圏を中心に、販売力の強化と物件ポートフォリオの充実を進めたことが、2025年3月期の大幅増収増益につながった。
発行者情報では、住宅ローン金利や原材料価格、為替、関連物資・加工費の上昇が事業環境の注意点として挙げられている。
不動産買取再生は、相場が良いときは回転が速く、利益も出やすい。一方で、市況が鈍ると在庫の保有期間が延び、金利負担や評価の見え方が重くなる。市場はまだそこを完全には信用しにくい。
リスク要因
営業CFの赤字
営業CFは-57.33億円である。増益決算でも、キャッシュが先に出ていく構造は明確に残っている。
自己資本比率の薄さ
自己資本比率は10.7%。前期の9.7%からは改善しているが、上場企業として見た場合、財務安全性は厚いとは言いにくい。
PRO Market銘柄としての流動性
490AはTOKYO PRO Market銘柄である。一般市場銘柄と比べて、投資家層や流動性は限られやすい。業績だけでなく、開示の継続性、流動性プロバイダー、売買のしやすさも合わせて見たい。
総合判断
総合判断は中立である。2025年3月期は、売上高262.57億円、営業利益20.17億円という大幅な成長を確認できる決算だった。
ただし、営業CFは-57.33億円、自己資本比率は10.7%。不動産買取再生モデルらしく、売上より利益、利益よりキャッシュを見たい局面である。
490Aを読むうえでは、成長率だけでなく、仕入れた物件がどれだけ早く、どれだけの採算で売れるかが焦点になる。数字は強い。問題は、同じペースで資金繰りと在庫管理を続けられるかである。
出典
本記事は、対象企業が開示した発行者情報を基に作成しています。
- 「発行者情報」、センス・トラスト、開示日: 2025-12-05