決算サマリー

項目2026年3月期中間期通期予想進捗率
売上高193.24億円452.31億円42.7%
営業利益12.58億円45.66億円27.6%
経常利益8.62億円37.18億円23.2%
中間純利益6.16億円24.33億円25.3%
EPS616.39円2,433.79円該当なし

同社は2026年3月期中間期より中間財務諸表を作成しているため、前年中間期との比較数値は開示されていない。進捗率は、同日に示された2026年3月期通期業績予想に対する単純計算である。

売上高の進捗率は4割を超えているが、利益の進捗は2割台にとどまる。物件売却の時期や案件ごとの採算で四半期ごとの利益は振れやすいとはいえ、売上より利益、利益よりキャッシュを見る決算である。

財務状態

項目2026年3月期中間期2025年3月期
総資産274.75億円166.99億円
純資産22.60億円17.94億円
自己資本比率8.2%10.7%
1株当たり純資産2,260.51円1,794.11円
現金及び現金同等物3.49億円7.73億円

総資産は大きく増えている。一方、自己資本比率は10.7%から8.2%へ低下した。

不動産業では、販売用不動産を仕入れてから売却するまでの期間に資金が寝る。成長局面では資産が増えること自体は自然だが、自己資本が薄いまま在庫と借入が増えると、金利上昇や販売タイミングの遅れに弱くなる。

キャッシュ・フロー

項目2026年3月期中間期
営業キャッシュ・フロー-99.15億円
投資キャッシュ・フロー-2.84億円
財務キャッシュ・フロー+97.75億円
現金及び現金同等物の中間期末残高3.49億円

営業CFのマイナスはかなり大きい。中間発行者情報では、営業CFの支出は主に税引前中間純利益がある一方で、棚卸資産の増加による支出が大きかったことによるものと説明されている。

ここは不動産買取再生業の分かりやすい難しさだ。

会計上の利益が出ていても、仕入れを先行すればキャッシュは出ていく。資金調達が回っている間は成長に見えるが、販売が遅れると一気に重くなる。市場はそこを見に行く。

事業面の見方

センス・トラストは不動産買取再生事業の単一セグメントである。中古不動産や収益不動産を仕入れ、価値を高めて売却するモデルのため、売上高は案件の引渡し時期に左右されやすい。

中間期の売上高193.24億円は大きい。ただし、営業利益率は約6.5%であり、売上規模ほど利益が厚く見えるわけではない。

指標目安
営業利益率約6.5%
経常利益率約4.5%
中間純利益率約3.2%

不動産銘柄としては、売上の絶対額よりも、在庫回転、案件採算、借入金利、売却先の需要が重要になる。特に同社は上場直後のPRO Market銘柄であり、流動性と開示の継続性も投資家が気にしやすい。

リスク要因

営業CFの大幅マイナス

営業CF-99.15億円は、単なる季節要因として片づけにくい大きさである。販売用不動産の仕入れを積極化している局面では自然な面もあるが、借入依存が強まると財務の余裕は薄くなる。

自己資本比率8.2%

自己資本比率は8.2%である。成長投資を続けるには資金調達力が必要だが、自己資本の薄さは金利上昇や不動産市況の変化に対する耐性を弱く見せる。

TOKYO PRO Market銘柄としての流動性

490AはTOKYO PRO Market銘柄である。一般市場の銘柄に比べ、売買流動性や投資家層が限られやすい。業績が良くても、株価形成や売買のしやすさは別の論点になる。

総合判断

総合判断は中立である。売上高193.24億円、営業利益12.58億円という数字だけを見ると、上場直後の成長感は強い。

ただ、投資家が本当に見るべきなのは、利益よりもキャッシュである。営業CF-99.15億円、自己資本比率8.2%という組み合わせは、不動産買取再生モデルの攻めの姿勢と同時に、財務の薄さも示している。

この中間決算は、成長企業としての勢いを確認する資料であると同時に、在庫と借入をどこまで管理できるかを見る資料でもある。次に確認したいのは、通期で売上が利益と営業CFにどれだけ変わるかである。

出典

本記事は、対象企業が開示した中間発行者情報および上場時の決算情報を基に作成しています。

  • 「中間発行者情報」、センス・トラスト、開示日: 2025-12-26
  • 「東京証券取引所 TOKYO PRO Marketへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」、センス・トラスト、開示日: 2025-12-26
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。