ベルチャイルド 503A|2025年3月期 売上高46.59億円、営業利益60.0%増 保険・クラウド案件が成長を支える ✓ 営業利益率は3.3% ✓ 純利益は81.6%増 ✓ 2026年3月期は増収増益計画 ⚠ 特定顧客・保険案件への依存 ⚠ 技術者採用と外注費の上昇 ⚠ PRO Marketの流動性

決算サマリー

項目2025年3月期前期比2026年3月期計画計画増減率
売上高46.59億円+6.1%52.29億円+12.2%
営業利益1.53億円+60.0%2.14億円+39.2%
経常利益2.04億円+83.0%2.45億円+19.9%
純利益1.41億円+81.6%1.64億円+16.0%
EPS278.93円開示資料に増減率なし338.84円+21.5%

売上高の伸びを利益の伸びが上回り、営業利益率は3.3%へ改善した。2026年3月期計画はさらに利益率を4.1%へ引き上げる前提である。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率開示資料に前期EPSなし前期比較算定保留
ROIC開示なし投下資本内訳なし簡易推計は行わない
PER推移算定保留2026年2月5日上場十分な市場価格履歴なし

上場時資料だけでは資本効率と市場評価の時系列比較が不足する。営業利益率3.3%と2026年3月期計画4.1%の達成度が、まず確認すべき定量指標となる。

ポジティブ要因

利益成長が売上成長を上回る

売上高は6.1%増に対し、営業利益は60.0%増、経常利益は83.0%増となった。採算改善が進み、増収だけに依存しない決算だった。

保険・クラウド需要

主力の保険システムに加え、クラウド移行、インフラ更新、ローコード・ノーコード、データサイエンス案件を扱う。国内企業のシステム刷新需要が受注基盤となる。

次期も増収増益を計画

2026年3月期は売上高12.2%増、営業利益39.2%増を見込む。既受注案件と受注見込み案件を積み上げた計画と説明している。

リスク要因

採用・外注コスト

売上原価の中心は技術者の人件費と外注費である。採用難や単価上昇に対し、顧客への価格転嫁が遅れれば営業利益率4.1%の計画に届きにくい。

案件の大型化と顧客集中

保険業の大型案件は業績を押し上げる半面、完遂後の反動や延期が年度間の変動要因になる。案件ポートフォリオの分散が継続課題となる。

上場市場の流動性

TOKYO PRO Marketは一般市場と比べて参加者が限られる。業績が計画どおりでも、売買高やスプレッド次第で市場価格が不安定になる余地がある。

財務安全性

2025年3月期末の総資産は16.17億円、純資産は9.16億円、自己資本比率は56.7%だった。借入と現預金の詳細は上場時資料だけでは限定的だが、純資産が総資産の過半を占める。2026年3月期中間期には純資産10.00億円、自己資本比率56.9%へ上昇した。

業界動向との関連

国内IT投資は、レガシーシステム刷新、クラウド移行、生成AI活用を背景に需要が続く。ベルチャイルドは保険業務の知識を持つ点が強みだが、大手SIerや専門ベンダーとの人材獲得競争は厳しい。市場成長を売上へ変えるだけでなく、粗利率を維持できるかが評価を分ける。

株価への示唆

利益成長は明確だが、上場直後でPERレンジや売買の厚みを評価できる期間が短い。2026年3月期の営業利益2.14億円計画を上回る進捗が確認できる場合は評価材料となるが、流動性の低さは業績とは別に価格変動を大きくし得る。

今期の総括

2025年3月期は増収率6.1%に対して営業増益率60.0%となり、採算改善が際立った。営業利益率はなお3.3%で高水準とは言いにくいものの、次期に向けて利益成長を加速させる土台は示した。

来期見通し

2026年3月期は売上高52.29億円、営業利益2.14億円、経常利益2.45億円、純利益1.64億円を計画する。売上原価44.03億円、売上総利益8.26億円を見込み、粗利拡大が利益計画の前提となる。案件進行と技術者配置が計画どおり進むかを確認したい。

総合判断

総合判断は中立である。増収率を上回る利益成長と自己資本比率56.7%は評価できる。ただし、営業利益率は改善途上で、PRO Market上場直後のためPER推移と流動性の検証が不足する。次期計画の利益率達成が次の判断材料となる。

出典

  • ベルチャイルド「TOKYO PRO Marketへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」(2026年2月5日)