決算サマリー
| 項目 | 2026年3月期 | 前年同期 | 増減率 | 期初計画 | 計画比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 52.52億円 | 46.59億円 | +12.7% | 52.29億円 | +0.4% |
| 営業利益 | 2.66億円 | 1.53億円 | +73.3% | 2.14億円 | +24.3% |
| 経常利益 | 2.98億円 | 2.04億円 | +46.1% | 2.45億円 | +21.6% |
| 純利益 | 2.14億円 | 1.41億円 | +51.9% | 1.64億円 | +30.5% |
| EPS | 443.68円 | 278.93円 | +59.1% | 338.84円 | +30.9% |
売上高は計画線だったが、営業利益は計画を24.3%上回った。営業利益率は前年の3.3%から5.1%へ1.8ポイント改善している。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +59.1% | 前年同期比 | 純利益の伸びを上回る |
| ROE | 21.6% | 前期15.4% | 6.2ポイント改善 |
| ROIC | 開示なし | 投下資本内訳なし | 簡易推計は行わない |
| PER推移 | 算定保留 | 上場後の履歴が短い | 市場価格レンジの蓄積待ち |
EPSとROEは大きく改善した。数字は強い。ただし、2027年3月期は減益計画であり、この利益水準をそのまま継続利益として扱うのは早い。
ポジティブ要因
保険案件の受注拡大
大型案件完遂による受注低下を、個人保険・団体保険関連の拡大で補った。主要顧客への業務知識を基盤に、案件の入れ替わりを吸収している。
クラウド・インフラ開発が好調
主要顧客のクラウド関連とインフラ基盤更新案件が拡大した。既存案件も順調に進み、営業利益率5.1%への改善に寄与したとみられる。
キャッシュ創出の改善
営業キャッシュ・フローは前年の0.65億円から2.90億円へ増加した。純利益2.14億円を上回り、利益が現金回収につながった点は財務面の支えとなる。
リスク要因
来期の営業減益計画
2027年3月期は売上高0.9%増に対し、営業利益29.1%減、純利益24.6%減を見込む。人員拡充、教育、上場後の管理負担が利益率を圧迫する計画である。
技術者の確保と稼働率
ソフトウェア開発は人件費と外注費の影響が大きい。採用を先行させても案件配置が遅れれば、稼働率低下が利益へ直結する。
顧客・案件構成
保険業の大型案件や主要顧客の投資計画に左右される。案件延期や完遂後の反動を、製造、物流、DX、IoTで補完できるかが課題となる。
財務安全性
総資産は18.91億円、純資産は10.68億円、自己資本比率は56.5%だった。現金及び現金同等物は9.47億円まで増え、長期借入金の返済と配当支払い後も手元流動性は厚い。営業CF2.90億円、投資CFマイナス0.25億円、財務CFマイナス0.63億円で、外部調達に依存せず現金を積み上げた。
業界動向との関連
企業のモダナイゼーション、クラウド移行、DX投資は需要の下支えとなる。ベルチャイルドは保険業務とインフラ双方を扱えるが、人材獲得競争は激しい。2026年の国内IT市場成長率を会社は2%と見込んでおり、市場全体の伸びより既存顧客での案件深耕が業績を左右する局面となる。
株価への示唆
2026年3月期は計画超過だが、次期減益予想が同時に示された。市場が当期の利益成長より、2027年3月期の費用増を重く見る場合、評価は伸びにくい。採用・教育投資が売上拡大へ転換し、下期に利益率が戻る道筋を示せるかが条件となる。
今期の総括
売上高は12.7%増、営業利益は73.3%増となり、利益率改善を伴う決算だった。保険案件の入れ替え、物流案件の底堅さ、クラウド基盤更新がかみ合い、期初計画を利益段階で2割以上上回った。営業CFの増加も利益の質を補強する。
来期見通し
2027年3月期は売上高53.00億円、営業利益1.89億円、経常利益2.41億円、純利益1.61億円、EPS334.33円を計画する。増員や人材育成、上場後の体制整備を織り込み、営業利益率は3.6%へ低下する。配当予想は未定である。
総合判断
総合判断は中立である。EPS59.1%増、ROE21.6%、営業CF2.90億円は強いが、次期は営業利益29.1%減を見込む。投資負担が一時的か、利益率低下が長引くかを見極める必要があり、次回は受注と人員稼働の進捗が判断材料となる。
出典
- ベルチャイルド「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年5月15日)