決算サマリー
| 項目 | 2024年10月期 | 前期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 33.09億円 | 比較なし | 比較なし | 開示なし | 該当なし |
| 営業利益 | 5.36億円 | 比較なし | 比較なし | 開示なし | 該当なし |
| 経常利益 | 5.58億円 | 比較なし | 比較なし | 開示なし | 該当なし |
| 純利益 | 3.74億円 | 比較なし | 比較なし | 開示なし | 該当なし |
| EPS | 36.22円 | 比較なし | 比較なし | 開示なし | 該当なし |
同社は第3期となる2024年10月期から連結財務諸表を作成したため、前年実績との比較はできない。営業利益率は16.2%、経常利益率は16.9%。売上総利益14.41億円に対し販管費9.05億円で、営業段階から5億円超の利益を確保した。
セグメント
| 報告セグメント | 外部売上高 | 売上構成比 | セグメント利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 建設業(電気・電気通信・消防・環境・防犯) | 19.66億円 | 59.4% | 2.68億円 | 13.6% |
| 製造業(防犯監視カメラ製造・販売) | 6.80億円 | 20.5% | 2.53億円 | 37.3% |
| 介護・子育て支援 | 6.62億円 | 20.0% | 0.25億円 | 3.7% |
建設事業が売上の約6割を占める一方、製造事業は売上6.80億円から2.53億円の利益を稼ぎ、調整前セグメント利益の46.4%を占めた。介護・子育て支援は売上規模に対して利益率3.7%と薄い。開示表では各セグメントの外部売上高合計と連結売上高、各利益の合計と調整後営業利益にそれぞれ1千円の表示差があるため、全社値は連結財務諸表の33.09億円、5.36億円を採用した。
財務安全性
総資産25.43億円、純資産11.46億円、自己資本比率45.1%である。流動資産16.07億円に対して流動負債7.31億円、流動比率は約219.7%。現金及び現金同等物は7.38億円まで増え、短期・1年内返済・長期・役員借入金の合計3.98億円を上回った。リース債務を含めても、期末時点の流動性には余裕がある。
営業CFは3.96億円、投資CFはマイナス1.38億円で、単純なフリーCFは2.58億円の黒字。財務CFはマイナス0.16億円だった。利益が現金へ転換され、設備投資を内部資金で吸収できた点は、この年度の質を支える。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS | 36.22円 | 前期比較なし | 株式分割を遡及反映 |
| ROE | 39.0% | 発行者情報の開示値 | 高水準だが資本規模が小さい段階 |
| ROIC | 開示なし | 投下資本内訳が不足 | 推計は行わない |
| PER推移 | 算定不能 | 当時は非上場 | 市場評価の履歴なし |
ROE39.0%は高いが、期首純資産が7.72億円と小さく、利益剰余金の積み上がり途上だった点を考慮したい。上場前で株価がなく、PERを用いた評価はできない。
ポジティブ要因
製造事業の高採算
防犯監視カメラ製造・販売は、売上構成比20.5%に対し調整前セグメント利益の46.4%を稼いだ。建設事業とほぼ同額の利益を、約3分の1の売上規模から生み出している。
営業キャッシュ・フロー
営業CF3.96億円は純利益3.74億円を上回った。棚卸資産は0.70億円、売上債権は0.50億円増えたが、税引前利益5.58億円を土台に現金を確保した。
財務基盤の形成
利益剰余金は期首7.70億円から11.44億円へ増え、純資産は11.46億円となった。無配で利益を内部留保した結果、自己資本比率45.1%を確保している。
リスク要因
連結比較と監査の制約
2024年10月期は連結初年度で前年同期比較がない。さらに同年度の連結財務諸表は、TOKYO PRO Market上場規程に基づく監査を受けていない。2025年10月期以降の監査済み数値と連続性を確認する必要がある。
特定顧客への依存
2026年6月19日の訂正発行者情報により、2024年10月期は広島県国民健康保険団体連合会が売上の17.7%、中国電力が7.0%を占めることが追記された。大口案件や制度需要の変動がセグメント業績へ直結しやすい。
介護事業の薄い利益率
介護・子育て支援は売上6.62億円に対して利益0.25億円、利益率3.7%。人件費、稼働率、制度改定の影響を受けやすく、売上拡大だけでは全社利益への寄与が限られる。
無配と流動性
2024年10月期は無配。当時は非上場で株価・売買実績がなく、還元と市場流動性を評価する材料はなかった。
業界動向との関連
インフラ老朽化対策、防災・防犯需要は建設・監視カメラ事業を支える。一方、建設では資材・労務費、監視カメラでは輸入部材と為替、介護では人材確保と制度報酬が採算を左右する。3事業の売上分散より、製造事業の高利益率を維持できるかが全社収益の焦点である。
株価への示唆
2024年10月期は非上場で株価履歴がなく、PERレンジや理論株価は算定できない。財務面では営業利益率16.2%、営業CF3.96億円、自己資本比率45.1%が評価材料となる。ただし連結比較と監査の制約があり、この1期だけで収益力を固定的に評価するのは難しい。次年度も製造事業の高採算と営業CFが続くことが確認条件となる。
今期の総括
2024年10月期は、製造事業の高採算と建設事業の収益が営業利益5.36億円を支え、フリーCFも2.58億円の黒字だった。連結初年度として財務基盤を形成した一方、比較可能性と監査の制約が残る。数字は強いが、評価には次年度の再現性が必要な決算である。
来期見通し
発行者情報には当時の2025年10月期予想を収録していない。その後確定した2025年10月期は売上高37.36億円、営業利益5.51億円となり、売上は12.9%増えた一方、営業利益の伸びは2.8%にとどまった。製造事業は拡大したが、全社営業利益率は14.7%へ低下しており、2024年の高収益がそのまま伸びたわけではない。
総合判断
総合判断は中立。営業利益率16.2%、営業CF3.96億円、製造事業の利益率37.3%は強い。反面、連結初年度で前年比較がなく、財務諸表は監査対象外、顧客集中もある。次年度の利益率とキャッシュ創出を合わせて確認して初めて、収益力の持続性を判断しやすくなる。
訂正開示の反映
2026年6月19日の訂正発行者情報は、2024年10月期の主要顧客として広島県国民健康保険団体連合会の売上5.86億円、構成比17.7%を追加した。連結売上高、営業利益、財政状態、キャッシュ・フロー、EPSへの訂正はない。
出典
- 株式会社PRO HOLDINGS「発行者情報」、2026年6月5日公表
- 株式会社PRO HOLDINGS「訂正発行者情報」、2026年6月19日公表