PRO HOLDINGS 594A|2026年10月期 中間決算 営業利益は通期計画の86.4%まで進捗 売上27.57億円|営業利益6.04億円|営業CF1.09億円 売上構成 建設 60.5% 製造 25.6% 介護・子育て 13.8% 利益の押し上げ要因 ✓ 製造事業の利益率45.2% ✓ 自己資本比率48.5%へ改善 下期の確認点 ⚠ 棚卸資産は2.75億円増加 ⚠ 配当予想は未定 kabutrack.com

決算サマリー

項目中間実績前年同期通期会社計画進捗率
売上高27.57億円比較なし46.30億円59.5%
営業利益6.04億円比較なし6.99億円86.4%
経常利益6.05億円比較なし6.81億円88.9%
純利益3.79億円比較なし4.46億円84.9%
EPS36.63円比較なし43.18円84.8%

同社は当中間期から中間連結財務諸表を作成したため、前年同期比較はできない。営業利益率は21.9%。利益進捗が売上進捗を大きく上回る一方、下期に必要な営業利益は0.95億円にとどまり、会社計画は上期偏重の進み方になっている。

セグメント

報告セグメント外部売上高売上構成比セグメント利益利益率
建設業(電気・電気通信・消防・環境・防犯)16.69億円60.5%3.24億円19.4%
製造業(防犯監視カメラ製造・販売)7.07億円25.6%3.20億円45.2%
介護・子育て支援3.81億円13.8%0.46億円12.2%

外部売上高の合計は連結売上高27.57億円と一致する。利益面では、製造事業が売上の約4分の1でありながら、調整前セグメント利益の46.4%を稼いだ。建設事業も3.24億円を確保し、両事業がほぼ同額の利益を生み出している。調整前利益6.90億円から全社費用など0.86億円を差し引き、連結営業利益は6.04億円となった。

財務安全性

総資産39.66億円、純資産19.24億円、自己資本比率48.5%で、前期末の45.3%から3.2ポイント改善した。流動資産24.17億円に対し流動負債は10.24億円で、流動比率は約236%。借入金は短期・1年内返済・長期の合計で8.51億円、現金及び現金同等物10.05億円が上回る。ただしリース債務を含めれば固定的な資金負担は増えるため、無借金企業と同じ見方はできない。

営業CFは1.09億円、投資CFはマイナス0.99億円で、単純なフリーCFは0.10億円の黒字にとどまった。税引前利益5.76億円に比べ営業CFが小さい主因は、棚卸資産2.75億円と売上債権1.19億円の増加である。利益は強い。問題は、その利益が下期に現金へ戻るかどうかだ。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS36.63円通期予想43.18円進捗率84.8%
営業利益率21.9%通期計画15.1%上期実績が計画利益率を6.8ポイント上回る
ROIC開示なし投下資本内訳が不足推計は行わない
PER推移算定保留2026年7月上場十分な市場履歴がない

前年中間期の比較可能なEPSがないため、EPS成長率は算定できない。2025年10月期通期EPS38.56円との単純比較は期間が異なるため、成長率としては扱わない。上場直後でPERの過去レンジもなく、評価は業績進捗と利益の質を中心に置く段階である。

ポジティブ要因

製造事業の高い採算

防犯監視カメラ製造・販売事業は、売上高7.07億円に対してセグメント利益3.20億円、利益率45.2%となった。「安視ん君」「安視んボイス」を含む防犯需要の拡大が、連結利益率を押し上げている。

建設需要と受注基盤

建設事業はインフラ老朽化対策、災害対策工事、民間施設の修繕・改修需要を取り込み、売上高16.69億円、セグメント利益3.24億円を計上した。会社は既存受注残高を踏まえ、通期で同事業の増収を見込む。

利益進捗と資本の厚み

中間時点で営業利益は通期計画の86.4%、純利益は84.9%に達した。純利益の積み上げにより純資産は前期末から3.79億円増え、自己資本比率も48.5%へ上昇している。

リスク要因

運転資金の膨張

未成工事支出金、原材料・貯蔵品などを含む棚卸資産は当中間期に2.75億円増加した。売上債権も1.19億円増え、税引前利益に対する営業CFの転換率は低い。案件完成と回収が遅れれば、会計利益ほど資金余力は増えない。

コスト上昇と下期採算

会社は資材価格の高止まりと労務費増加を通期計画へ織り込む。上期の営業利益率21.9%に対し通期計画は15.1%であり、下期には費用増や案件構成の変化を見ている可能性がある。上期利益率の単純延長は避けたい。

製造事業への利益依存

製造事業は売上構成比25.6%に対し、調整前セグメント利益の46.4%を占める。防犯カメラ需要、製品構成、販売網の変化で同事業の高採算が崩れた場合、連結利益への影響は売上構成比以上に大きくなる。

上場直後の流動性と還元方針

TOKYO PRO Market銘柄で株価履歴が短く、一般市場の銘柄より売買流動性を見込みにくい。2026年10月期の年間配当予想は未定で、利益進捗が高くても還元水準はまだ評価材料に置けない。

業界動向との関連

防災・防犯分野ではインフラ老朽化対策や安全需要が受注の下支えとなる。反面、建設業では人手不足と労務費、資材価格が採算を左右する。PRO HOLDINGSは建設の案件量だけでなく、製造事業の高い利益率を維持できるかが同業比較の分岐点になる。

株価への示唆

上場後の取引履歴が短いため、過去PERレンジを用いた理論株価の算定は行わない。業績面では営業利益進捗86.4%が支えになる一方、利益進捗だけを根拠に上振れを前提にするのは早い。棚卸資産と売上債権が下期に回収され、営業CFが利益に追いつく場合、収益の質を確認しやすくなる。逆に製造事業の利益率低下や建設コストの上昇が表れれば、上期の高進捗は評価されにくい。

今期の総括

中間決算は、製造事業の高採算と建設事業の利益貢献により、売上進捗59.5%に対して営業利益進捗86.4%となった。数字は強い。ただし営業CFは1.09億円で、利益の大半が現金化したわけではない。下期は受注消化、棚卸資産、売上債権の動きが決算の質を決める。

来期見通し

会社は2026年10月期に売上高46.30億円(前期比23.9%増)、営業利益6.99億円(同27.1%増)、経常利益6.81億円(同18.5%増)、純利益4.46億円(同12.0%増)を計画する。インフラ工事と防犯カメラ販売の増収を見込む一方、資材・労務費の上昇も織り込む。中間実績から必要な下期営業利益は0.95億円だが、会社は予想を据え置いている。

総合判断

総合判断は中立。営業利益率21.9%と通期利益進捗86.4%は強いが、前年同期比較がなく、営業CFは利益に追いついていない。次回は製造事業の利益率、建設案件の採算、棚卸資産と売上債権の回収、通期予想の修正有無、配当方針を同時に確認したい。

出典

  • 株式会社PRO HOLDINGS「2026年10月期 中間決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年7月9日
  • 株式会社PRO HOLDINGS「2026年10月期 中間発行者情報」、2026年7月31日
  • 株式会社PRO HOLDINGS「東京証券取引所 TOKYO PRO Market上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」、2026年7月9日