PRO HOLDINGS 594A|2025年10月期 通期 売上12.9%増、営業利益2.8%増 営業利益率は16.2%から14.7%へ低下 2024売上33.09億円 2025売上37.36億円 利益率16.2% 利益率14.7% 成長要因 ✓ 製造事業は29.8%増収 ✓ 純利益は6.5%増 資金面の確認点 ⚠ フリーCFは2.62億円の赤字 ⚠ 財務CFは5.06億円の流入 kabutrack.com

決算サマリー

項目2025年10月期2024年10月期増減率会社計画進捗率
売上高37.36億円33.09億円+12.9%開示なし該当なし
営業利益5.51億円5.36億円+2.8%開示なし該当なし
経常利益5.75億円5.58億円+3.0%開示なし該当なし
純利益3.98億円3.74億円+6.5%開示なし該当なし
EPS38.56円36.22円+6.5%開示なし該当なし

増収増益だが、売上の伸びに対して利益の伸びは鈍い。営業利益率は前期16.2%から14.7%へ1.5ポイント低下した。販管費は9.05億円から10.43億円へ増え、売上総利益の増加を吸収した。

セグメント

報告セグメント売上高前期比売上構成比セグメント利益前期比利益率
建設業(電気・電気通信・消防・環境・防犯)21.32億円+8.4%57.1%2.74億円+2.3%12.8%
製造業(防犯監視カメラ製造・販売)8.83億円+29.8%23.6%3.08億円+21.7%34.9%
介護・子育て支援7.21億円+8.9%19.3%0.29億円+18.1%4.0%

全セグメントが増収増益となった。製造事業は売上を2.03億円、利益を0.55億円伸ばし、全社成長の中心だった。建設事業は売上8.4%増に対して利益2.3%増で、利益率が13.6%から12.8%へ低下。開示表では各セグメントの外部売上高合計と連結売上高、調整後の利益計算に1千円の表示差があるため、全社値は連結財務諸表の37.36億円、5.51億円を採用した。

財務安全性

総資産34.07億円、純資産15.45億円、自己資本比率45.3%で、前期45.1%からほぼ横ばい。流動比率は約245.5%と高い。現金及び現金同等物9.82億円に対し、短期・1年内返済・長期借入金は合計8.31億円。リース債務3.65億円もあるため、現預金だけで負債負担が軽いとは言い切れない。

営業CFは2.94億円で前期比25.7%減、投資CFはマイナス5.56億円。単純なフリーCFは2.62億円の赤字となった。有形固定資産の取得5.56億円を、長期借入4.86億円とセール・アンド・リースバック0.84億円などで補い、財務CFは5.06億円の流入となった。成長投資の回収が次期以降の焦点である。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+6.5%前期36.22円純利益の増加と整合
ROE29.6%前期39.0%純資産増加で低下したが高水準
ROIC開示なし投下資本内訳が不足大型投資後の推計は保留
PER推移算定不能当時は非上場市場評価の履歴なし

利益剰余金の積み上がりでROEは低下したものの29.6%を確保した。ただし設備投資と借入が同時に増えた年度であり、ROEだけでは投資効率を判断できない。次期は増えた固定資産が売上と営業CFを押し上げるかを見る必要がある。

ポジティブ要因

製造事業の拡大

防犯監視カメラ製造・販売は売上29.8%増、利益21.7%増。利益率は34.9%で建設・介護を大きく上回り、売上構成比も20.5%から23.6%へ上昇した。

全セグメントの増収

建設は8.4%増収、介護・子育て支援は8.9%増収となった。製造だけに売上成長を依存せず、3事業すべてが前期を上回った点は事業基盤の拡大を示す。

純資産と現金の増加

純利益3.98億円の内部留保により純資産は前期末から3.99億円増加。現金及び現金同等物も2.44億円増え、期末残高は9.82億円となった。

リスク要因

利益率の低下

営業利益率は16.2%から14.7%へ低下した。建設事業の利益率低下に加え、製造事業も37.3%から34.9%へ低下しており、増収がそのまま利益率改善につながっていない。

大型投資と資金調達

有形固定資産取得5.56億円によりフリーCFは赤字となった。長期借入とリースバックで資金を補っており、投資後の稼働率や利益貢献が遅れれば、金利・返済・リース負担が先行する。

特定顧客への依存

訂正後の主要顧客情報では、中国電力が売上の19.4%、広島県国民健康保険団体連合会が17.3%を占める。2顧客で36.7%となり、案件発注や制度需要の変化が全社売上へ影響しやすい。

無配と市場流動性

2025年10月期は無配。当期末時点では非上場で、株価・PER・売買流動性を評価する履歴もなかった。

業界動向との関連

インフラ老朽化対策、防災・防犯意識の高まり、介護需要は3事業の売上を支える。一方、建設の資材・労務費、監視カメラ部材の為替、介護人材の確保は利益率を圧迫する。2025年は需要を売上へ取り込めたが、コスト吸収は追いつかなかった。

株価への示唆

2025年10月期末は非上場で、過去PERレンジや理論株価は算定できない。上場後に見るべきは12.9%増収そのものより、営業利益率14.7%の反転と、5.56億円の設備投資が利益・営業CFへ変わるかである。製造事業の成長が続き、建設採算とフリーCFが改善する場合に収益拡大の質を確認しやすくなる。

今期の総括

2025年10月期は3事業がそろって増収増益となり、売上高37.36億円、純利益3.98億円まで拡大した。反面、営業利益率は低下し、フリーCFは2.62億円の赤字。売上成長の年度であると同時に、投資負担と資金調達が増えた年度でもある。

来期見通し

会社は2026年7月9日の上場時開示で、2026年10月期に売上高46.30億円(前期比23.9%増)、営業利益6.99億円(同27.1%増)、純利益4.46億円(同12.0%増)を予想した。中間時点で営業利益は6.04億円まで進んだが、棚卸資産と売上債権の増加で営業CFは1.09億円。投資回収と運転資金管理は引き続き重要である。

総合判断

総合判断は中立。製造事業の29.8%増収と全セグメント増収は強いが、営業利益率は14.7%へ低下し、フリーCFは赤字となった。2026年10月期に売上・利益計画を達成するだけでなく、大型投資が営業CFへ結びつくかが評価を分ける。

訂正開示の反映

2026年6月19日の訂正発行者情報は、2025年10月期の主要顧客として広島県国民健康保険団体連合会の売上5.73億円、構成比17.3%を追加した。連結売上高、利益、財政状態、キャッシュ・フロー、EPSへの訂正はない。

出典

  • 株式会社PRO HOLDINGS「発行者情報」、2026年6月5日公表
  • 株式会社PRO HOLDINGS「訂正発行者情報」、2026年6月19日公表
  • 株式会社PRO HOLDINGS「東京証券取引所 TOKYO PRO Market上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」、2026年7月9日公表