決算サマリー
| 項目 | 2025年10月期 | 2024年10月期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 37.36億円 | 33.09億円 | +12.9% | 開示なし | 該当なし |
| 営業利益 | 5.51億円 | 5.36億円 | +2.8% | 開示なし | 該当なし |
| 経常利益 | 5.75億円 | 5.58億円 | +3.0% | 開示なし | 該当なし |
| 純利益 | 3.98億円 | 3.74億円 | +6.5% | 開示なし | 該当なし |
| EPS | 38.56円 | 36.22円 | +6.5% | 開示なし | 該当なし |
増収増益だが、売上の伸びに対して利益の伸びは鈍い。営業利益率は前期16.2%から14.7%へ1.5ポイント低下した。販管費は9.05億円から10.43億円へ増え、売上総利益の増加を吸収した。
セグメント
| 報告セグメント | 売上高 | 前期比 | 売上構成比 | セグメント利益 | 前期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 建設業(電気・電気通信・消防・環境・防犯) | 21.32億円 | +8.4% | 57.1% | 2.74億円 | +2.3% | 12.8% |
| 製造業(防犯監視カメラ製造・販売) | 8.83億円 | +29.8% | 23.6% | 3.08億円 | +21.7% | 34.9% |
| 介護・子育て支援 | 7.21億円 | +8.9% | 19.3% | 0.29億円 | +18.1% | 4.0% |
全セグメントが増収増益となった。製造事業は売上を2.03億円、利益を0.55億円伸ばし、全社成長の中心だった。建設事業は売上8.4%増に対して利益2.3%増で、利益率が13.6%から12.8%へ低下。開示表では各セグメントの外部売上高合計と連結売上高、調整後の利益計算に1千円の表示差があるため、全社値は連結財務諸表の37.36億円、5.51億円を採用した。
財務安全性
総資産34.07億円、純資産15.45億円、自己資本比率45.3%で、前期45.1%からほぼ横ばい。流動比率は約245.5%と高い。現金及び現金同等物9.82億円に対し、短期・1年内返済・長期借入金は合計8.31億円。リース債務3.65億円もあるため、現預金だけで負債負担が軽いとは言い切れない。
営業CFは2.94億円で前期比25.7%減、投資CFはマイナス5.56億円。単純なフリーCFは2.62億円の赤字となった。有形固定資産の取得5.56億円を、長期借入4.86億円とセール・アンド・リースバック0.84億円などで補い、財務CFは5.06億円の流入となった。成長投資の回収が次期以降の焦点である。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +6.5% | 前期36.22円 | 純利益の増加と整合 |
| ROE | 29.6% | 前期39.0% | 純資産増加で低下したが高水準 |
| ROIC | 開示なし | 投下資本内訳が不足 | 大型投資後の推計は保留 |
| PER推移 | 算定不能 | 当時は非上場 | 市場評価の履歴なし |
利益剰余金の積み上がりでROEは低下したものの29.6%を確保した。ただし設備投資と借入が同時に増えた年度であり、ROEだけでは投資効率を判断できない。次期は増えた固定資産が売上と営業CFを押し上げるかを見る必要がある。
ポジティブ要因
製造事業の拡大
防犯監視カメラ製造・販売は売上29.8%増、利益21.7%増。利益率は34.9%で建設・介護を大きく上回り、売上構成比も20.5%から23.6%へ上昇した。
全セグメントの増収
建設は8.4%増収、介護・子育て支援は8.9%増収となった。製造だけに売上成長を依存せず、3事業すべてが前期を上回った点は事業基盤の拡大を示す。
純資産と現金の増加
純利益3.98億円の内部留保により純資産は前期末から3.99億円増加。現金及び現金同等物も2.44億円増え、期末残高は9.82億円となった。
リスク要因
利益率の低下
営業利益率は16.2%から14.7%へ低下した。建設事業の利益率低下に加え、製造事業も37.3%から34.9%へ低下しており、増収がそのまま利益率改善につながっていない。
大型投資と資金調達
有形固定資産取得5.56億円によりフリーCFは赤字となった。長期借入とリースバックで資金を補っており、投資後の稼働率や利益貢献が遅れれば、金利・返済・リース負担が先行する。
特定顧客への依存
訂正後の主要顧客情報では、中国電力が売上の19.4%、広島県国民健康保険団体連合会が17.3%を占める。2顧客で36.7%となり、案件発注や制度需要の変化が全社売上へ影響しやすい。
無配と市場流動性
2025年10月期は無配。当期末時点では非上場で、株価・PER・売買流動性を評価する履歴もなかった。
業界動向との関連
インフラ老朽化対策、防災・防犯意識の高まり、介護需要は3事業の売上を支える。一方、建設の資材・労務費、監視カメラ部材の為替、介護人材の確保は利益率を圧迫する。2025年は需要を売上へ取り込めたが、コスト吸収は追いつかなかった。
株価への示唆
2025年10月期末は非上場で、過去PERレンジや理論株価は算定できない。上場後に見るべきは12.9%増収そのものより、営業利益率14.7%の反転と、5.56億円の設備投資が利益・営業CFへ変わるかである。製造事業の成長が続き、建設採算とフリーCFが改善する場合に収益拡大の質を確認しやすくなる。
今期の総括
2025年10月期は3事業がそろって増収増益となり、売上高37.36億円、純利益3.98億円まで拡大した。反面、営業利益率は低下し、フリーCFは2.62億円の赤字。売上成長の年度であると同時に、投資負担と資金調達が増えた年度でもある。
来期見通し
会社は2026年7月9日の上場時開示で、2026年10月期に売上高46.30億円(前期比23.9%増)、営業利益6.99億円(同27.1%増)、純利益4.46億円(同12.0%増)を予想した。中間時点で営業利益は6.04億円まで進んだが、棚卸資産と売上債権の増加で営業CFは1.09億円。投資回収と運転資金管理は引き続き重要である。
総合判断
総合判断は中立。製造事業の29.8%増収と全セグメント増収は強いが、営業利益率は14.7%へ低下し、フリーCFは赤字となった。2026年10月期に売上・利益計画を達成するだけでなく、大型投資が営業CFへ結びつくかが評価を分ける。
訂正開示の反映
2026年6月19日の訂正発行者情報は、2025年10月期の主要顧客として広島県国民健康保険団体連合会の売上5.73億円、構成比17.3%を追加した。連結売上高、利益、財政状態、キャッシュ・フロー、EPSへの訂正はない。
出典
- 株式会社PRO HOLDINGS「発行者情報」、2026年6月5日公表
- 株式会社PRO HOLDINGS「訂正発行者情報」、2026年6月19日公表
- 株式会社PRO HOLDINGS「東京証券取引所 TOKYO PRO Market上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」、2026年7月9日公表