決算サマリー
| 項目 | 2025年6月期実績 | 前期実績 | 増減率 | 2026年6月期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 229.39億円 | 開示なし | 算定不可 | 254.64億円 | 該当なし |
| 営業利益 | 31.39億円 | 開示なし | 算定不可 | 32.38億円 | 該当なし |
| 経常利益 | 23.89億円 | 開示なし | 算定不可 | 24.97億円 | 該当なし |
| 純利益 | 15.95億円 | 開示なし | 算定不可 | 17.23億円 | 該当なし |
| EPS | 49.80円 | 開示なし | 算定不可 | 53.69円 | 該当なし |
今回確認した上場時開示には2024年6月期の比較表がないため、前年比は算定していない。2025年6月期は営業利益率13.7%、経常利益率10.4%を確保した。
セグメント
同資料は2025年6月期について、GXソリューション事業とエナジートレーディング事業の実績内訳を開示していない。連結利益や売上高から両事業へ利益を配分することはできないため、セグメント別の実績値は記載しない。
事業構造では、GXソリューションがPPAサービス、アライアンスソリューション、インテグレーションサービスを担い、エナジートレーディングが法人・家庭向けの電力供給を担う。後続の2026年6月期第3四半期から正式なセグメント実績が開示されている。
財務安全性
2025年6月末の総資産は416.74億円、純資産は65.92億円、自己資本比率は15.8%だった。流動資産112.92億円に対して流動負債71.81億円で、流動比率は157.3%。一方、短期・長期借入金は193.46億円、リース債務は75.46億円ある。四半期資料にはキャッシュ・フロー計算書がないため、営業CFとフリーCFは確認できない。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 算定不可 | 前期EPSの開示なし | 2025年6月期EPSは49.80円 |
| 営業利益率 | 13.7% | 2026年6月期予想12.7% | 予想より高いが財務費用を含まない |
| ROIC | 開示なし | 投下資本の定義なし | 設備保有型のため今後の重要指標 |
| 参考PER | 約15.5倍 | 公開価格770円 / EPS49.80円 | 上場前実績を使った単純計算 |
利益率は見栄えがある。ただし、経常利益は営業利益を7.50億円下回っており、資金調達コストを含めると本業利益ほど余裕は大きくない。
ポジティブ要因
二桁の営業利益率
売上高229.39億円に対して営業利益31.39億円を確保し、営業利益率は13.7%となった。上場前の通期実績として本業の黒字基盤は確認できる。
EBITDAは50.59億円
営業利益に減価償却費とのれん償却費を加えたEBITDAは50.59億円、EBITDAマージンは22.1%。資本集約型事業の償却負担を吸収する利益水準を示している。
次期も増収増益を計画
2026年6月期は売上高254.64億円、営業利益32.38億円、純利益17.23億円を予想する。伸び率は売上高11.0%に対して営業利益3.2%で、増益幅は小さい。
リスク要因
自己資本比率15.8%
PPA設備やリース資産を保有するため、総資産416.74億円に対して純資産は65.92億円にとどまる。金利上昇や案件稼働の遅れは財務余力へ響きやすい。
営業利益と経常利益の差
営業利益31.39億円に対して経常利益は23.89億円で、差は7.50億円ある。借入金とリースを使う事業では、営業利益だけで収益性を判断しにくい。
無配を継続
2025年6月期の年間配当は0円。2026年6月期と2027年6月期も会社予想は0円で、当面は株主還元より設備・成長投資を優先する方針が数字に表れている。
業界動向との関連
国内では第7次エネルギー基本計画が2040年度の再生可能エネルギー比率を40~50%程度とする方針を示している。PPA需要には追い風だが、太陽光設備の開発は資材価格、工期、系統接続、金利、天候に左右される。政策テーマの強さと案件採算は分けて見る必要がある。
株価への示唆
2026年7月29日の上場初日は、公開価格770円に対して初値953円、終値830円だった。終値を2025年6月期EPS49.80円で割った参考PERは約16.7倍となる。ただし、過去実績だけでは2026年6月期以降の設備投資と資金調達負担を評価できない。上場後は、GXソリューションの成長と自己資本比率の改善が同時に進むかが確認点になる。
今期の総括
2025年6月期は営業利益率13.7%、純利益15.95億円で、上場前の収益基盤は確認できた。とはいえ、自己資本比率15.8%と資金調達負担は軽くない。売上より利益、利益よりキャッシュ。この会社では特にその順番が重要になる。
来期見通し
2026年6月期の会社予想は、売上高254.64億円、営業利益32.38億円、経常利益24.97億円、純利益17.23億円。売上高は11.0%増を見込む一方、営業利益は3.2%増にとどまり、営業利益率は13.7%から12.7%へ低下する計画である。
総合判断
総合判断は中立である。2025年6月期の利益率は悪くないが、財務レバレッジを伴うPPA設備保有モデルであり、営業利益の見栄えだけでは強気に傾けにくい。2026年6月期はGXソリューションの拡大が、金利・償却・投資負担を上回るかを確認したい。
関連ページ
出典
本記事は、株式会社アイ・グリッド・ソリューションズの上場時開示および決算資料を基に作成しています。
- 株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ「2026年6月期及び2027年6月期の業績予想について」、開示日: 2026-06-25
- 株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ「東京証券取引所グロース市場への上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」、開示日: 2026-07-29
- 株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ「2026年6月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」、開示日: 2026-07-29