1. 投資判断サマリー
オーディオストックは、東証グロースに上場する音源ライツビジネスプラットフォーム運営会社です。2026年9月期第3四半期累計は、課金収入と著作権等収入の伸長を背景に営業利益率26.3%を確保しました。一方、権利収入の一時要因と税効果の反動が通期の利益を読む際の注意点です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 更新日 | 2026年9月16日 |
| 総合評価 | ★★★☆☆(中立) |
| 一言サマリー | Q3累計は売上高13.11億円、営業利益3.44億円。通期は増収増益計画ですが、純利益は税効果の反動で減益予想です。 |
2. 投資評価(星評価・レーダーチャート)
星評価は、2026年9月16日開示の決算短信と公式IRの会社情報をもとにした確認用の目安です。
| 評価軸 | 星評価 | コメント |
|---|---|---|
| 成長性 | ★★★★☆ | 課金収入は前年同期比8.3%増、著作権等収入は同39.9%増です。 |
| 収益性 | ★★★★☆ | Q3累計の営業利益率は26.3%、通期予想は25.3%です。 |
| 財務 | ★★★★☆ | 自己資本比率62.8%、現金及び預金16.42億円を確保しています。 |
| 配当 | ★☆☆☆☆ | 2026年9月期の年間配当予想は0.00円です。 |
| 安定性 | ★★★☆☆ | 継続契約は増えていますが、権利収入の一時要因には注意が必要です。 |
| 時間軸 | 見方 |
|---|---|
| 短期 | 上場初日の需給と、通期予想が株価にどの程度織り込まれているかを確認します。 |
| 中期 | 定額制契約件数、管理楽曲数、権利収入、営業利益率の推移を見ます。 |
| 長期 | 音源ストックの収益化と、クリエイターへの分配後に利益を残せる仕組みを確認します。 |
3. 最新決算サマリー
| 項目 | 2026年9月期第3四半期累計 | 前年同期比 | 通期予想 | 見方 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,310.617百万円 | 比較対象なし | 1,753百万円(+16.3%) | Q3累計の単純進捗は74.8%です。 |
| 営業利益 | 344.128百万円 | 比較対象なし | 444百万円(+16.6%) | Q3累計の営業利益率は26.3%です。 |
| 経常利益 | 346.400百万円 | 比較対象なし | 434百万円(+15.0%) | 営業外損益を含む計画です。 |
| 純利益 | 344.755百万円 | 比較対象なし | 327百万円(-25.6%) | 前期の繰延税金資産計上の反動があります。 |
| EPS | 84.94円 | 比較対象なし | 80.47円 | 通期予想は公募株式数10万株を含む予定平均株式数で算出。 |
決算短信では、前年同期の四半期財務諸表を作成していないため、Q3累計の前年同期比は開示されていません。通期予想は会社計画であり、単純進捗だけで達成確度を判断しません。
4. 今回の決算で注目するポイント
- 課金収入は486百万円、前年同期比8.3%増。主要な定額制契約件数は10.1千件、同7.9%増でした。
- 著作権等収入は807百万円、前年同期比39.9%増。管理楽曲数は2025年9月期の3.4万曲から2026年6月末の4.4万曲へ増えています。
- 2025年9月期の著作隣接権収入には過年度の放送使用分が含まれ、今期の通期成長率はQ3累計より低くなる見込みです。
- 現金及び預金は1,642.082百万円、自己資本比率は62.8%です。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていません。
5. 投資判断のポイント
| 論点 | 次に確認したい指標 |
|---|---|
| 課金収入の継続性 | 定額制契約件数、解約率、単品販売の推移 |
| 権利収入の再現性 | 管理楽曲数、放送利用、著作権等収入の伸び |
| 利益率 | クリエイター報酬、管理手数料、営業利益率 |
| 利益の現金化 | 営業キャッシュ・フローと現金及び預金の推移 |
| 株価評価 | 上場後の株価、時価総額、PERと通期計画の比較 |
6. リスク要因
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 権利収入の変動 | 過年度放送使用分のような一時要因の反動で、成長率が鈍化する可能性があります。 |
| 費用の連動 | クリエイター報酬や著作権等管理団体への手数料は売上高に応じて増加します。 |
| 税金費用 | 前期の繰延税金資産計上の反動で、今期は純利益が減少する見通しです。 |
| 開示情報の制約 | 四半期キャッシュ・フロー計算書がなく、利益の現金化を追いにくい面があります。 |
7. 成長性
成長の軸は、定額制・単品販売の課金収入と、音源の放送利用・音楽配信などから得る著作権等収入です。課金収入では契約件数、著作権等収入では管理楽曲数が確認材料になります。通期は売上高16.3%増、営業利益16.6%増を見込む一方、前期の一時的な権利収入と税効果の反動を含むため、売上の伸びをそのまま利益成長とみなさないことが重要です。
8. 総合評価
オーディオストックは、Q3累計で高い営業利益率を確保し、課金収入と著作権等収入の双方に伸びが見られます。懸念は、権利収入の一時要因、税効果の反動、キャッシュ・フロー情報の不足です。上場初日で株価指標も未形成のため、現時点は中立評価とし、通期計画の達成度と利益の現金化を優先して確認します。
出典
- オーディオストック(621A)「2026年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」(2026年9月16日開示)
- 株式会社オーディオストック IR「決算短信」
- 株式会社オーディオストック IR「会社概要」
- 株式会社オーディオストック IR「株式基本情報」
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