グリーンズ 6547|2026年6月期 客室単価上昇で営業増益 次期営業利益は0.5%増にとどまる計画 ✓ 売上高は8.8%増 ✓ 営業利益は10.4%増 ✓ 営業CFは82.29億円 ⚠ 純利益は5.0%減 ⚠ 次期営業利益はほぼ横ばい ⚠ 訪日客構成と出店費用 kabutrack.com

決算サマリー

項目当期実績前期増減率次期会社予想進捗率
売上高539.98億円496.45億円+8.8%569億円該当なし
営業利益69.64億円63.06億円+10.4%70億円該当なし
経常利益68.99億円58.43億円+18.1%69億円該当なし
純利益49.97億円52.60億円-5.0%45億円該当なし
EPS357.93円368.90円-3.0%327.68円該当なし

通期決算のため、会社計画欄には2027年6月期予想を記載し、進捗率は該当なしとした。営業利益率は12.9%で、前期の12.7%から0.2ポイント改善している。

セグメント

同社グループはホテル事業の単一セグメントであり、報告セグメント別の数値は開示していない。ブランド区分では、チョイスブランドの売上高が471.64億円(前期比9.3%増)、オリジナルブランド・その他事業が68.33億円(同5.1%増)だった。表示単位の丸めにより合計は全社売上高と0.01億円ずれる。

チョイスブランドの客室稼働率は81.5%(前期比1.5ポイント上昇)、客室単価は10,882円(同4.7%上昇)。オリジナルブランド・その他は稼働率75.1%(同1.2ポイント上昇)、客室単価7,737円(同6.7%上昇)となった。ブランド別利益は開示されていないため、全社営業利益を配分してはいない。

財務安全性

総資産は356.74億円、純資産は126.68億円、自己資本比率は35.5%である。営業キャッシュ・フローは82.29億円、投資キャッシュ・フローはマイナス38.99億円、財務キャッシュ・フローはマイナス32.83億円となり、現金及び現金同等物は110.59億円へ増加した。営業CFで設備投資と財務支出を賄えているが、ホテルの新規開業が続く局面では投資負担の増え方を確認したい。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率-3.0%前期比純利益減少に伴いEPSも低下
ROE43.8%前期58.4%高水準だが前期から低下
ROIC直接記載なし投下資本内訳が不足決算短信だけでの算定は保留
PER推移市場データ未反映過去レンジ未確認株価評価には別途市場データが必要

営業利益率は12.9%へ改善した。一方、純利益率は9.3%で、賃貸借契約解約益を計上したものの、繰越欠損金の解消に伴う法人税等の増加により最終減益となった。

ポジティブ要因

客室単価と稼働率の上昇

全ホテルの客室稼働率は80.6%と前期から1.5ポイント上昇し、客室単価も5.1%増の10,442円となった。既存店の単価改善に加え、新規開業・リブランド店舗が増収に寄与している。

営業キャッシュ・フロー

営業CFは82.29億円と、前期の70.63億円を上回った。営業利益の増加が現金収支にもつながっており、利益の質は悪くない。

リスク要因

次期利益の伸びが鈍い

2027年6月期は売上高5.4%増に対し、営業利益は0.5%増の計画である。新規出店や改装、運営コストの増加を売上成長で吸収できるかが焦点になる。

宿泊需要と訪日客構成

2026年上期の訪日外客数は前年を下回り、特に中国からの訪日客減少が示されている。国内需要が下支えしても、地域別の宿泊構成が変われば客室単価と稼働率の両方に影響しうる。

業界動向との関連

ホテル市場は国内レジャー需要と訪日需要の双方に支えられているが、人件費、光熱費、改装費も上昇しやすい。グリーンズは客室単価の引き上げで吸収してきた。次期は売上成長より、単価上昇がコスト増をどこまで上回るかが重要になる。

株価への示唆

増収増益と営業CFの増加は評価材料だが、次期営業利益がほぼ横ばいである以上、過去実績だけで評価が切り上がるとは限らない。新規ホテルの立ち上がりと既存店の客室単価が計画を上回る場合、利益予想の上振れ余地が意識される。一方、稼働率低下やコスト増が重なる場合は、売上増でも利益率が下がる。

今期の総括

2026年6月期は、売上高539.98億円、営業利益69.64億円と増収増益で着地した。宿泊需要の取り込みと客室単価の上昇が本業を押し上げ、営業CFも増加した。ただし、税負担増で純利益は49.97億円へ減少しており、営業段階と最終段階の方向は分かれた。

来期見通し

2027年6月期は売上高569億円、営業利益70億円、経常利益69億円、純利益45億円、EPS327.68円を見込む。年間配当は前期52円から57円への増配予想である。売上は伸びるが利益余力は薄く、客室単価、稼働率、新規開業費用の3点を四半期ごとに確認したい。

総合判断

総合判断は中立。客室単価上昇による増収増益と営業CFの増加は強いが、次期営業利益は0.5%増、純利益は10.0%減の計画である。売上成長が新規出店・運営コストを上回り、営業利益率を維持できるかが次の判断材料となる。

出典

  • 「2026年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、株式会社グリーンズ、2026年8月13日開示