決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 19,863.57億円 | 19,405.01億円 | +2.4% | 未定 | — |
| 営業利益 | 1,157.35億円 | 1,623.39億円 | -28.7% | 未定 | — |
| 税引前利益 | 1,374.36億円 | 1,668.90億円 | -17.6% | 未定 | — |
| 親会社所有者帰属利益 | 391.17億円 | 1,273.85億円 | -69.3% | 未定 | — |
| EPS | 34.13円 | 110.85円 | -69.2% | 未定 | — |
前年同期比較は訂正・修正再表示後の数値を含む。会社は2025年10月に通期予想を未定へ変更しており、進捗率は示さない。
セグメント
製品グループ別売上では、精密小型モータ3,669.28億円(0.2%減、営業利益555.75億円・24.1%増)、車載5,230.60億円(5.3%増、営業損失178.68億円)、家電・商業・産業用モータ8,070.61億円(3.6%増、営業利益744.14億円・4.3%減)だった。いずれも会社の報告セグメント区分とは異なる製品別補足情報。全体の減益には当期の非金融資産減損175.69億円と仕入先求償請求の和解に伴う負担164.79億円が含まれ、前年の段階取得益101.95億円も比較を押し下げる。
財務安全性
総資産3兆8,084.61億円、親会社所有者帰属持分比率36.4%。四半期短信ではキャッシュ・フロー計算書の詳細を示していない。会計調査後の財務情報であり、過年度値は修正再表示後の比較である。
定量評価
営業利益率は5.8%で前年同期の8.4%から低下。EPSは前年同期比69.2%減。単純な利益成長比較では、比較対象の修正再表示と一時費用の影響を分けて読む必要がある。
ポジティブ要因
売上収益は2.4%増を確保した。精密小型モータではHDD向けなどの需要が支えとなり、車載・家電等も増収だった。これはトップラインの底堅さを示すが、各製品グループの営業損益が赤字となった点を覆すものではない。
リスク要因
営業利益は28.7%減、親会社帰属利益は69.3%減。第三者調査委員会報告書は、過年度の売上前倒し計上や会計処理誤謬、海外子会社の不適切な金銭交付、品質管理上の問題などを認定した。過年度財務諸表の訂正が行われており、監査・内部統制の再構築と数値の安定性を継続確認する必要がある。
業界動向との関連
車載や産業機器向けの需要動向は売上に表れても、原価・減損や個別事業の収益力が利益を大きく左右している。会社固有の調査・訂正問題があるため、業界需要だけを根拠に回復を判断しにくい。
株価への示唆
会社は業績予想を未定としている。市場は次の業績数値に加え、訂正後の決算体制、内部統制の是正、監査対応の進み方を評価材料にする局面。
今期の総括
累計売上は増えたが、減損、和解費用、前年の一時利益の反動で営業利益と純利益は大幅減となった。今回の数字は事業環境の比較だけでなく、過年度訂正後の基準値で読む必要がある。
来期見通し
会社予想は未定。具体的な利益計画は示されていないため、推定で補わない。調査を受けた会計処理の訂正範囲と、事業別の利益回復を次の開示で確認する。
総合判断
総合判断は弱気。増収は確認できるものの、利益の急減に加えて会計処理・内部統制上の問題が広範な過年度訂正につながった。数値の信頼性と利益回復の両方が確認されるまで、評価の不確実性は高い。
出典
- 「2026年3月期第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」、ニデック、2026年9月30日開示。
- 「第三者委員会の調査報告書(最終報告)の受領及び当社の対応に関するお知らせ」、ニデック、2026年4月17日開示。