決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 27,087.05億円 | 26,063.47億円 | +3.9% | 28,000億円 | — |
| 営業利益 | -5,189.78億円 | 1,282.22億円 | 赤字転落 | 2,000億円 | — |
| 税引前利益 | -4,962.14億円 | 1,245.76億円 | 赤字転落 | 1,800億円 | — |
| 親会社所有者帰属利益 | -5,646.24億円 | 846.72億円 | 赤字転落 | 1,000億円 | — |
| EPS | -492.55円 | 73.69円 | 赤字転落 | 87.23円 | — |
通期実績に対して会社計画欄は翌期予想のため、進捗率は対象外。前年値は修正再表示後。
セグメント
製品グループ別では精密小型モータ4,986.96億円(2.2%増)、営業利益299.95億円。車載7,183.09億円(7.7%増)、営業損失2,505.36億円。家電・商業・産業用モータは1兆1,046.05億円(5.0%増)、営業損失2,511.24億円。後二者には大型の非金融資産減損が含まれる。売上成長だけでは採算の状態を説明できない。
財務安全性
総資産3兆1,076.21億円、自己資本比率25.6%。営業CF2,342.18億円、投資CFマイナス1,362.38億円、財務CFプラス4,182.46億円、期末現金8,522.04億円。大幅損失の一方で営業CFは黒字だが、財務CFの大幅な流入も併記して資金面を読む必要がある。
定量評価
営業利益率はマイナス19.2%、EPSはマイナス492.55円。減損を含む会計上の損失であり、通常の年度PER比較は意味を持ちにくい。
ポジティブ要因
売上収益は増加し、営業CFも2,342億円の収入だった。既存事業の需要と資金創出がすべて失われたわけではない。ただし、これらは6,321億円の減損や報告された会計上の問題を相殺するものではない。
リスク要因
非金融資産減損6,321億円が赤字の主因。第三者委員会は複数年度にわたる売上計上の前倒しや会計処理誤謬などを認定し、財務諸表の修正再表示が行われた。内部統制の再構築や経営責任の整理が実際の運用で機能するかが、決算の信頼性を左右する。
業界動向との関連
車載、家電・産業機器の市場需要は長期的な売上機会を支える一方、資産回収可能性の見積もりが大規模な減損に結び付いた。設備投資・買収後の収益力を慎重に点検する必要がある。
株価への示唆
2027年3月期会社計画は黒字転換を見込む。前期の損失規模が大きく、計画値だけでは投資家の信頼は戻りにくい。減損後の各事業利益、営業CF、調査対応の進捗が株価の反応を左右しそうだ。
今期の総括
増収ながら巨額の減損で営業損益は赤字に転落した。営業CFは黒字だが、利益の落ち込みは一過性の評価損だけでなく、過年度会計訂正と統制上の問題を含む。
来期見通し
2027年3月期予想は売上収益2兆8,000億円、営業利益2,000億円、税引前利益1,800億円、親会社所有者帰属利益1,000億円、EPS87.23円。前期の大幅損失からの転換計画であり、回復の確認には四半期ごとの利益率と再発防止策の開示が必要。
総合判断
総合判断は弱気。減損による巨額損失に加え、複数年度の会計誤謬・不適切行為が明らかになり、通常の業績評価より情報の信頼性が問題になる。黒字計画は示されたが、まず訂正後の決算と内部統制が安定して継続するかを見極めたい。
出典
- 「2026年3月期決算短信〔IFRS〕(連結)」、ニデック、2026年9月30日開示。
- 「第三者委員会の調査報告書(最終報告)の受領及び当社の対応に関するお知らせ」、ニデック、2026年4月17日開示。