決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 176.68億円 | +22.1% |
| 営業利益 | 5.68億円 | +158.6% |
| 経常利益 | 6.81億円 | +121.2% |
| 親会社株主に帰属する純利益 | 4.93億円 | +151.9% |
| EPS | 29.03円 | - |
営業利益率は3.2%である。売上増に対して営業利益が大きく伸び、国内成形の採算改善が連結利益を押し上げた。
セグメント
- 日本成形関連事業:売上高144.79億円(前年同期比20.5%増)、セグメント利益3.42億円(前年同期は0.34億円の損失)。竜舞プラスチックの寄与と生産回復が改善を支えた。
- 中国成形関連事業:売上高5.92億円(72.1%増)、セグメント利益0.83億円(193.4%増)。受注増加と高利益率製品が寄与した。
- アメリカ成形関連事業:売上高23.79億円(25.5%増)、セグメント損失0.38億円(前年同期は0.48億円の利益)。メキシコ第二工場の先行費用が残った。
- 不動産関連事業:売上高2.15億円(0.1%減)、セグメント利益1.75億円(0.1%増)。
財務安全性
総資産は259.97億円、純資産は98.57億円、自己資本比率は30.9%。第3四半期累計のキャッシュ・フロー計算書は作成されていない。
定量評価
売上高と営業利益はともに前年同期を上回った。利益改善の持続性を見るには、日本成形関連事業の利益率と、設備投資後のキャッシュ回収を分けて確認する必要がある。
ポジティブ要因
国内成形の改善が連結営業利益を押し上げた。中国成形も増収・増益となり、不動産関連事業は安定した利益を確保している。
リスク要因
自動車メーカーの生産調整、原材料・エネルギー価格、為替が採算を左右する。アメリカ成形関連事業ではメキシコ第二工場の先行費用が発生しており、売上拡大だけでなく黒字化の時期が重要となる。
業界動向との関連
自動車向け樹脂部品は完成車の生産台数に影響されやすい。物流産業資材は需要分散に寄与するが、大型設備投資を伴うため稼働率が利益率とキャッシュ・フローを左右する。
株価への示唆
増収増益は評価材料だが、北米投資の回収と営業キャッシュ・フローが伴わなければ利益改善への信頼は高まりにくい。次の開示では地域別の採算を優先して確認したい。
今期の総括
2023年3月期第3四半期は国内成形を中心に利益が改善した。一方、地域ごとの採算差は大きく、連結売上高の伸びだけで判断しにくい決算である。
来期見通し
会社計画は売上高240.00億円、営業利益6.00億円、経常利益5.40億円、純利益3.50億円、EPS20.57円。販売数量と稼働率に加え、先行投資を吸収できる利益率が焦点となる。
総合判断
判断は中立。国内成形と中国成形の改善は明確だが、北米の先行負担と設備投資後の資金回収を確認する余地が残る。売上高よりもセグメント利益と営業キャッシュ・フローを追いたい。
出典
- 天昇電気工業「2023年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、開示日:2023-02-14